DXコンサルタントの価値とは

watamoo
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日本企業におけるDXは往々にして、「コア業務の邪魔になる余計な仕事を自動化・省力化する」という課題意識に帰着することが多い

しかし、本来DXという言葉は、デジタルの力を活用することで、ビジネスモデルそのものを変革することを指す。つまり、企業の収益の柱となっているコア業務そのものを、デジタルの力で変革することこそがDXの目指すところなのではないか

これまでに私が支援した企業では、現場からDXテーマを収集して、ボトムアップでDXの取り組みを推進することが多くあった。ただし、このやり方は納得感を醸成することには長けているかもしれないが、コア業務そのものの変革に繋がるような観点のテーマは出てきづらいという欠点があるのではないか

上記の欠点は、組織の縦割り化が進んでいる企業こそより強く表れると考える。なぜなら、組織が分断されることでコア業務も分断され、各組織の社員が、企業におけるコア業務のあるべき全体像を描くことが難しくなるからである。また、そうした組織では組織間のコミュニケーションが現場における課題として矢面に立たされるため、よりコア業務の変革に焦点が当たりづらくなる側面もあるのではないだろうか

以上を踏まえると、コア業務を変革するようなDXを達成するためには、ボトムアップな取り組みだけでは不十分であり、企業の業務全体を把握したうえで変革の道筋を描くプレーヤーが必要となると考えられる

次回は、そうしたプレーヤーの条件と、DXコンサルタントの果たすべき役割(と果たしえない役割)について考察したい