梅酒をくるくるしています。最近梅酒の話ばかりしている気がするな。お酒を飲むようになってから一年。ほろよいやチャミスルあたりを行き来したのち、私はようやく「正解」に辿り着いてしまったかもしれない。あまりにも、あまりにも美味しい。好きなブランドは何?と聞かれたら、今の私は胸を張ってCHOYAの名を挙げるだろう。もしあなたが私に『The CHOYA AGED 3 YEARS』の700ml瓶を贈ってくれるのなら(そんなに値段がするものではないのだけど)、私はあなたからの依頼を何でも二つ返事で引き受けてしまうかもしれない。それから梅酒とは別にもう一つ好きになったものを挙げると、クラフトコーラ。最近親戚から「ともコーラ」と「AWAトクシマコーラ」を頂いたのだけど、どちらも驚くほど美味しかった。詳しくないけど薬膳ってこんな感じなんだろうなと思う。おすすめです。
合宿の話をまだしていなかった。素敵な時間をありがとうございました(特に幹事の菊一君、心よりお疲れ様!)。何より嬉しいのは、お話ししたいなと思っていたひと(たち)と沢山お話ができたこと。合宿ってこういうところがいいんだよな~と毎回思っています。それと同時に、本当に話したかったことについてはあまり話せなかったような気がしていて、というかそもそも本当に話したかった事って何だっけ?あなたにもこういう経験があったりしないかな。
ところで、後輩くんと例の衣装の話をしているところを一回生に聞かれてしまった話とか、雨の中同期とスーパーまでお酒を買いに行ったこととか、それから個人的に推している人(主に先輩方!)についてとか、他にもいろいろ書きたいことがあるのだけど、ここでは一旦書かないことにする。興味があったら直接聞いてね。
それから(言うまでもないけれど)合宿のクイズはとても楽しかった。特によんがつ君ワールドとドラえもん杯について、その魅力を最大限に享受することができた気がする。ありがとう!だけど、あえてひとつ印象に残った企画を挙げるとすれば、それはもしかすると初日の六光星かもしれない。企画の序盤で『最終戦争論』を正解した辺りから(実はまだきちんと読んだことはないのだけど)、なんというかゆるやかな追い風が吹いているな~とは思っていたのだけど、決勝の「出島」を始め素敵な問題が沢山あった。こういう問題をたくさん作れるようになりたいな。ところで主催陣はまだクイズ歴1年目ですか??マジで??
自分が関わった企画(32期杯とわとそん企画)の話を少しだけしておく。まずは何より、ご参加いただきありがとうございました。あなたのお気に入りの問題が一問でも見つかったのなら、それはとても素敵なことだと思います。それから共催してくれた同期各位にも大感謝です。よかったらまたやりたいな。ところで32期杯の使用問題は全て共有フォルダにあがっているのだけど、その問題コメントのひとつひとつを私はとても気に入っている。よかったらみんな読んでね。
今年度の私の動向は実はあまり決まっていなくて、うまくいけば秋から冬にかけて大阪に戻っているかも…?くらいのアバウトな予定しかない。だけど、夏合宿があるのならぜひ行きたいなと思っている。いろいろお話しできたら(あるいは、あなたの話が聞けたら)嬉しいな。
さて、少し違う話をしましょうか。行ってみたい場所がいくつかある。ひとつあげると、ノルウェーのアルタフィヨルド。スカンジナビア半島の北の果てにあるフィヨルドだ。私は「世界の絶景カレンダー」の写真を飾るような観光名所にあまり興味がないのだけど、この風光明媚なフィヨルドはいつか訪れてみたいなと思っている。なぜなら、かつてこの地に「推し」が引きこもっていたからだ。今から、オタク語りを、するぞ!うお~!
私が西洋史において最も好きなフレーズを紹介する。「誰も日陰に追いやりたくはないが、我々もまた陽の当たるところにいたい」。別に誰かを不幸せにしたいわけではないのだけど、私だってもう少し幸せに生きてみたいんだ。たぶんこんな感じの意味かな。一つだけ問題があるとしたら、このフレーズを発したのがかつてのドイツ帝国の外相である(らしい)こと。もの凄く大雑把に言ってしまえば、「イギリスやフランスが採ってきたような帝国主義政策を、遅ればせながらも俺たちドイツだって真似したいんじゃ!」という、まぁそれだけの話である。長い目で見れば、この「帝国として成功した英仏」と「持たざる国・ドイツ」という構図が、凄惨な二度の世界大戦に繋がったと言えるかもしれない。
近代以降のドイツ(あるいはその前身たるプロイセン)はどちらかというと大陸国家として発展してきた(=海外に版図を広げきれなかった)ため、英仏のような有力な海軍を持つことはほとんどなかった。第一次世界大戦期に一瞬だけイギリス海軍と張り合うも、戦間期には再び沈黙を余儀なくされる。そんなドイツが、第二次世界大戦前夜に二隻の戦艦を建造した。二隻の名は、それぞれ「ビスマルク」と「ティルピッツ」という。
私は戦艦のスペックとかについてはほとんど興味がないのだけど、件の二隻は当時のヨーロッパ列強の中では極めて有力な艦艇だったらしい。しかし、いかに優れた戦艦と言えども、強大なイギリス海軍を相手にできることは限られている。ドイツ海軍はイギリス海軍と正面から戦うことを避け、「ビスマルク」を北大西洋での通商破壊戦(いわばゲリラ戦)に投入した。しかもその最初の作戦の最中、「ビスマルク」はイギリス海軍の執拗な追撃を前についに力尽きる。
こうして「ティルピッツ」は孤独となった。このドイツ最後の戦艦(他に戦艦が全くないわけではないのだけど)を如何せん。結局、ドイツ海軍が選んだのは「引きこもり」だった。即ち「ティルピッツ」を軍港に引きこもらせつつ、「いつでも出撃しようと思えばできますが何か?」という体制を取り続けることで、イギリス海軍に多大なプレッシャーを与えることにしたのである(この辺りは「現存艦隊戦略」としていろいろ研究されている)。これは地味に効いた。大英帝国たるイギリスは世界各地に艦隊を派遣しないといけないのだけど、有力な「ティルピッツ」の出撃に備え、まとまった戦力を本国艦隊に残す必要が生じたのである。仮に「ティルピッツ」が存在しなければ、例えば地中海やインド洋を巡る攻防の行く末はだいぶ変わっていたかもしれない。
当然、イギリス海軍は邪魔な「ティルピッツ」を全力で沈めようとする。ドイツ海軍は「ティルピッツ」をイギリスの手が届かないところに避難させた。それが、最果ての地・アルタフィヨルドだった。最終的にイギリスによって沈められるまで、「ティルピッツ」は晩年(?)をこのフィヨルドで過ごすことになる。
うまく説明できないのだけど、私は「ティルピッツ」という艦が好きだ。小さな国に生まれ、すぐに「ビスマルク」という兄(船の代名詞は普通Sheを用いるため「姉」とするのが一般的なのだけど、まぁ鉄血宰相なので…)を失い、優秀ながらも活躍の機会を与えられず、それでもひたすらに「そこにい続ける」ことで世界の歴史を少しだけ変えようとする。
第二次世界大戦期のノルウェーは開戦初期にドイツに占領されたのち、終戦までほとんど戦場となることがなかった。戦時下の静かなフィヨルドの奥で、「ティルピッツ」は光を浴びて眠る。いつ来るかわからない出撃に備えながら、ただひたすらにその場所に居続ける。北極圏に位置するアルタフィヨルドは、真夏には白夜を迎えたかもしれない。あるいは、厳しい冬の空にオーロラが見えたことだろう。「陽の当たらない国」に生まれた戦艦に、もし人格があったとしたら、何を思うのだろうか。
…みたいなことを、アルタの町でひなたぼっこをしながら考えたいのです私は。ちなみに手持ちの鉄道時刻表にはアルタまでの路線は載っていない。オスロからなら飛行機で行けそうだ。今のところ行く予定はないのだけど。
「近況」というタイトルで文章を書き始めたけれど、何故ドイツ海軍の話をしているんだ。最近の私はあまり良い生き方をしているとはあまり思えないのだけど、いつもより少しだけ本を読んでいる。いくつか苦しむことがないこともないのだけど、ありがたいことにそれなりに平穏に暮らしています。ところであなたはいかがお過ごしですか?願わくば、素敵な日々を過ごしていてほしいな~と思います。陽の当たるところで生きていたいんだ。