日々(2024/4/18)

わとそん
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朝から何故か日向坂の『ドレミソラシド』が頭の中をくるくるし続けているが、今の身の回りに心当たりがあまりにもなさすぎる!台湾問題について詳しい同宿の愉快なおじさんを除けば、最近人間とろくに会話さえしていないのに。猫とさえほとんどお話しできていない。昨日読んだ本(『世界史の構造』←難しいけれどおもしろい!)によれば、どこかの哲学者は猫と見つめ合うことで「我-汝の関係」とやらを見出しかけたらしい。私も真似して公園の猫を見つめてみたが、かわいいなとしか思わなかった。

バザールは人々で賑わっている。今日の私は3つ買い物をした。一つはサングラス。日の当たるところで過ごせるのはありがたいことだけど、日中の光はどうにも眩しすぎる。公園の近くに出ていた屋台で、700円くらいの黒いサングラスを買った。かけてみると、どことなく夢水清志郎の雰囲気を感じる。二つ目はポストカード。街角に並んだポストカードのひとつをふと気に入ってしまって、父方/母方それぞれの祖父母宅宛てと、私のお土産として計3枚買った。全部で300円くらい。最後の一つの買い物は栓抜きだ。食料品店の飲料ケースの下の方には瓶入りの不思議なジュースとかお酒が並んでいて、旅行中に飲んでみたかったのである。バザールの金物屋さんに適当に入ってみると、ありがたいことに栓抜きが売っていた。値札が付いていなかったのだけど、レシートを見るに100円くらいで買えたらしい。概して物価の安い国ではないのだけど、ひとつひとつに良心を感じることがある。

バザールをさらに歩く。アクセサリーとか小さな腕時計を扱っているようなお店にふらっと入ってみた(私にしては珍しく!)。こちらも価格は驚くほど安い。小さなアクセサリーが安いと100円ほどの値段で、きれいな腕時計も1000円くらいから売られている。どちらも私にとってはきらきらし過ぎていて、またプレゼントを贈るべきひとが思い当たるわけでもない。そんなわけで何かを買うことはなかったのだけど、一昔前の私ならたぶんこうしたお店に入ろうとすらしなかっただろうな、なんて思う。こうしたひとつひとつのものに惹かれる感覚が、気が付けば私もそれなりに理解できるようになって(しまって?)いる。大人になった、とはまた違う気がするのだけど。

商品棚を見ていると、とあるネックレスに書いてある”Love You”という文字を”Live You”に空目した。英文法として正しいのかはわからないのだけど、大雑把に訳すと「あなたを生きている」、それとも「あなたを生かしてみせよう」?隣に並ぶ”Forever”の文字列よりも、どこか輝いて見えたような気がするのだけど、ところで「善く生きる」ってなんだっけ。この街には成り行きでしばらく滞在することになっている。もうひとつくらい、何か素敵なものを買えたらいいな。

(2024/4/18)

@watson_art
冬の目標:雪の日に海を見に行く