今、子供が口の周りを真っ赤にしてナポリタンを食べている向かいでこれを書いています。北海道の久しぶりの雨、おまけに春休みということで児童館は大変混んでいます。中の食堂も。
最近、洗濯物を畳みながらヒカルの碁のアニメを一話から見返しています。今朝観た回では「これだけ世の中が進化しながら傘は平安の時代から変わらない」という、ヒカルと佐為のやり取りがありました。家を出る時に傘を開いてたしかにな〜と。アニメ放映から20年以上経った今も、傘事情が何か変わる兆しはありませんよね(笑)
アニメをリアタイしていた小学生時代、当時の恋人とDVDで観た大学時代、そしてアマプラで観ている今と、十年毎にヒカルの碁に再熱している私ですが、今回は本当にヤバい。個人サイト立ち上げも、ヒカ碁で個サイらしいシリーズの夢小説を書くことが理由の一つです。
ヒカ碁のストーリーは基本王道だと思うのですが、高みを目指してシビアな世界に身を置く少年たちの心模様、人間関係が今になって一際心を打ちます。一切中弛みがないのも見事で、ファンの中で一番人気なのはやっぱりプロ試験編っぽいですね。私が今回うるっときたのは、プロ試験の年齢制限ギリギリで会社を辞め全てを懸けて受験したおじさんのシーンです。試験の総当たり戦の後半でもう自分は合格できないと悟り、仲良くなったヒカルをバイクの後ろに乗せて「プロになるのはお前に任せる!」と夢を託すんです。これが刺さるようになったのは私がおじさん側の年齢になったからでしょうね。
ヒカルの碁のテーマは最終巻ではっきり言葉にされている通り「遠い過去と遠い未来を繋ぐ」です。囲碁だけでなく、私たちの生きている意味こそがそれだと。競技漫画でここまで壮大なテーマを通して書いたってすごいと思うのですが、考えたらゴールデンカムイだってそうですよね。連綿とした継承があったからアイヌ文化を現代に残すことができた。一人ひとりは短い命ですが、自分にとっての大切なものを守るために、私たちは点と点を繋いでいるのかもしれません。