起き抜けに野菜をすこし食べてからシャワーを浴びて、この間買って冷凍しておいたパークサイドドーナツのいちごのボンボローニをコーヒーで食べた。店頭で買った際にならんでいるドーナツが外気にさらされていたこと、もらった紙袋は閉まり切らずにやっぱり外気にさらされっぱなしだったことばかり気にしていたけど、自宅で開けてみたらかなり大きくて持ち帰った日はそのことにややおののいた。家具みたい。実家で飼っていた猫が、部屋や布団の上で寝転がっているととそれなりの大きさに見えるのに(田舎だったので)庭に出たりするとやけに小さく見えたことにも似ている。これは春先か秋口の晴れた庭をうろつく彼女の写真を撮ろうとしたところ、しゃがんでカメラを構えると撫でてもらえると判断したのかすりよってきてしまってけっきょくほとんど写真が撮れなかった日のことでもある。折りに触れていつでも蘇ってくる記憶なので言語化した。
ドーナツは見た目の割に軽かったということもなく、しっかりした生地にどっしりしたサワークリームで重たい。webサイトには「しっかりと大きな口を開けてかぶりついてくださいね」と書いてあったけどナイフとフォークを使って食べた。惹句は「砂糖とクリームを口の周りいっぱいにつけた『あざと可愛い』姿をみて笑い合うこともこのドーナツの楽しさや魅力」と続いていて、調べてみると2020年の流行語だったそれを臆面なく活字にすることができる感覚はすごい。
職場はみんな大変そう。それなりに残業をして、夕飯は生姜と春菊、青梗菜を軽く炒めたものに納豆肉みそを合わせたものを作った。白米を食べたかったのでそのままワンプレートに盛る。夕飯はあまり炭水化物を食べないようにしているけど、こだわりはないので禁を破るのは容易い。食後に先日実家に帰ったときにもらった百目柿。今年はよく実をつけたらしく、ほとんどが渋柿のそれを渋抜きする技を身につけた父がヘタに焼酎をうっすら塗ってビニール袋に入れて渡してくれた。放置しすぎたのかだいぶ柔らかくなってしまったそれをこそぐようにして食べた。最後のひとかけを飲み込むと喉が痛いようなひきつれるような感覚がして、これが渋か、と思う。大体は舌先で感じるにとどまるものなので、喉の粘膜で感じるとこうなるのかと面白かった。