いろいろあった2023年のトピックの一つは「演劇」だろう。
関東に越してきて、折角なのでいろんなモノコトに触れたいと思っていたところ、同僚から観劇をおすすめされたことがきっかけだった。
これまでの演劇とわたしは、小学校のイベントとして観た程度で、社会人になってからは全く経験がなかった。転職して福岡に行ってからも演劇に触れる機会はなかった。有名な演目をどかーんとやることが多いように見えた。
対して関東は多くの劇場があり、有名な俳優さんから、舞台メインの方たちまで多く活動していて演目も多かった。とはいえチケットはそれなりに値がするのは共通である。
せっかく高めのチケットなら、面白そうなのがいいな。そう考えると、最初のひとつを選ぶのが難しい…。悩むわたしへの同僚からの助言はシンプルなものだった。おかげで初めての観劇の日は、思ったより早く決まることになる。
シェイクスピア 終わりよければ全てよし
舞台といえばシェイクスピア、王道っぽい!けどこの話は知らないなと思い決めた。めっちゃ単純である。
話は省略するが面白かった。いろいろお堅いのかな?シェイクスピアだし?と謎の偏見は、演技や演出で砕かれる。
聞き取りやすい発声と行間、視線誘導される立ち回りや照明。適度な緩急と、キャラクターの個性。それらもあり、小難しいかも?と心配していたストーリーもわかりやすかった。
セットも素晴らしかった。舞台に大きな布が吊るされており、その形を変えて舞台の情景が彩られる。照明で色を与えられた大きな布は、ゆらゆらと燃える炎にも、聳え立つ山脈にもなった。時に壁になり、演技の小道具にもなった。
演劇はセットが組まれるものなんだろうなと思っていたわたしには、青天の霹靂である。そして沼に落ちた。セット含めて面白い。
劇場の建築も美しかったな。空気も澄んでいた。
パートタイマー秋子
終わりよければ全てよしを観に行った時に、たくさんのビラを貰ったのだが、その中からフィーリングで気になるものをピックアップした中から選んだ。
ビジュアル強烈だなと思ってよくよく見ると、俳優さんが豪華。なんなら、シェイクスピアで演技がすごい!と思っていた方も出ていたので、これは運命だから観るしかないとチケットを取った。知ったのは11月、公演は1月だけど。
こちらはシェイクスピアと違い、想像していたお芝居!なセット。そしてなにより、客席と舞台が近い。双眼鏡が要らない。だからこそ、細かい動きや表情がよく見える。全体はもちろん、セットの細かな作り込みもよく見える。じっくり堪能できて最高だった。
役や状況に合わせた歩き方、細かい目線の動き、喋っていない演者もそれらしい動きがある。映画やドラマだったら映らない、自分が観たいカットを観ることができる。舞台ならではの面白さがそこにあった。・・・と、書いていてどこかで聞いたことなるなと思ったら、同僚が熱く演劇話をしたときの内容そのままだった。
細かく作り込まれた舞台セットをみていると、使われないものが一つもなく全てに意味があった。なのに、偽物感がなく自然体だった。スーパーのバックヤード、事務所としてリアル。つくるの楽しそう。
話もとても面白かった。終始コミカルに話は進むのに、よくよく考えると怖い。そこもまたいい。原作読んでみたいな。
池袋のそばにある劇場、アクセスがよく人が多かった。内装、エスカレータがダイナミックでかっこよかったな。
表現する、それを体感すること
表現したいものがあり、それをカタチにすることは素晴らしく、尊い。常々思っている。それら表現を受け取れるということも素晴らしい。五感で感じ、理解しながら、時に抽象のまま抱えて話は進む。終わってからも反芻して、新しい解釈や感覚、倍量の好きを得る。それらは、静かにわたしの中で新しい種になっている。
これまで映画や本、音楽だけで摂取していたけれど、新しい畑を手に入れた実感を得られて「演劇、はまっちゃった」
今年は1シーズン1つは観たいなと思っている。春には何を観ようかな。