バイトの日。6時55分起床。寒くて起きたくないなあと思いながらブルースカイのアプリを開いて谷川俊太郎の死を知る。近い将来この日が来ることは年齢的にわかっていたのだけど、つらい。しょぼしょぼと起き出し、昨日の炊き込みご飯をあたためて食べる。それから夫を起こしに行き、『女に』収録の「……」という詩を耳元で暗唱する。夫は半分眠っていた。
砂に血を吸うにまかせ
死んでゆく兵士たちがいて
ここでこうして私たちは抱きあう
たとえ今めくるめく光に灼かれ
一瞬にして白骨になろうとも悔いはない
正義からこんなに遠く私たちは愛しあう
「……」谷川俊太郎
夫を送り出してからわたしも出勤。地下鉄の中で涙がぽろぽろ出た。職場について、ボスに鹿児島土産の知覧紅茶を渡す。ボスは「れんちゃん、好きだったよね?」と言って、ちいかわハヤシ・ちいかわふりかけ・ちいかわキャラめんトッピングをくれた。どう見ても幼児向けなのだが、ボスはわたしのことを生まれる前から知っているので、ボスの中でわたしは永遠に「なんかちいさくてかわいいやつ」なんだろうなと思った。もう33歳半なのに。でもありがたかった。大事に食べます。
仕事を終え、インド料理屋に寄ってビリヤニを食べる。店内にはプラスチックのセイヨウヒイラギが飾られ、インストのクリスマスソングが流れていた。おなかいっぱいになって帰宅。文学フリマに向けて何かやりたいのだけど、もうあとは銀行に両替しにいくぐらいしかやることがない。仕方ないので無意味に短歌を紙に印刷し、ポスタースタンドに吊るしてみる。あってもなくてもどっちでもいいかな、という感じではあったけど、当日持っていくかも。