別の媒体で「手紙」という形で散文を投稿していたことがあって、それを見つけたので、こちらで再投稿します。
29週間前の、外国にいた時のリアルだな〜。
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お元気ですか。あなたに宛てた手紙がこちらに戻ってきてしまったので、再送します。住所の書き方がいけなかったみたい。ままなりませんね。
元いたところから離れてしばらくが経ちます。もう少しするとまた元いたところに帰ります。あなたは生まれた土地以外に住んだことがあると言っていたでしょうか?覚えが悪くてごめんなさい。
育った土地を離れて、全く違う土地に自分を没入させること。新しい言語を覚えて、その土地の態度を身につけること。いろんな土地を転々として歩き回ること。
そしてそうしているうちに、いろいろな土地や人の残滓が自分の中に残り、気付けば元の自分ではなくなっていること。
元いたところに帰った時、自分があの土地を受け入れられるのか、反対に自分が受け入れてもらえるのか分からなくて、少し怖くなります。
それでも、あなたとしばらく会わなかった間の出来事をお話しできるのはとても楽しみです。わたしが知らないうちにあなたも旅をしているのかもしれませんね。あなたの没入の話をぜひ教えてください。
それでは。
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無事帰ってきて、受け入れて、受け入れられた気がするな。良かったね。コンビニの明かりに驚かなくなってしまった。東京がわたしを独占していて、チェコは後景へ退いてしまった。それもまた人生なんだね。