今年を振り返って、生活面で大きく変化したのは転職したこと。たまたまだが、前職のグループ会社に転職した。社内のメーリングリストを開くと前職でお世話になったあの人も、仲良くしてくれたあの人も、みんないるのがなんだかこそばゆい。
新しい職場で過ごすうちに、長い間抱えていた仕事へのコンプレックスが氷解できたことに気づいた。今年、内面で大きく変化したのは、なんといってもこの部分だ。
同業他社に勤めるのはこれで3社目になる。わたしはそれまで、自分の仕事は訓練さえ積めば誰にでもできるもので、誰にでもできるから自分にも務まっているのだと思っていた。そのため仕事に対して自己有効感がそれほどなく、友人や家族と仕事の話をするのはなんだか気が進まなかった。わたしにとっての「好きでやりたいこと」と「仕事にしたいこと」は、遠く隔たったところにあり、結びつかず交じり合わないもので、前者はたくさんあっても、後者がずっとわからないまま生きてきた。
しかし今の会社で、同期や同僚の仕事への姿勢や、過去に勤めた会社での経験を思い返したときに、「どうやらわたしはこの業種に適性がある」とやっと納得できた。何かに秀でているとか、得意とする技能があるとかではなく、「誰かにとっての苦が、自分にとってはそうではない」場面が多くあった。この適性で、人の役に立てているという手応えがあった。これからもここで長くやっていこうと素直に思えた。椅子に腰を下ろして背もたれに身を預けたような気持ちだ。本当はずっとどこかに座りたかったし、息をつきたかった。
幸いなことに、会社では穏やかで温和な人たちに囲まれて仕事ができている。仕事納めのない業種なので明日も出勤だが、正月もそんな人たちと和やかに仕事ができることをありがたく思う。「よいお年を。また明日。」と挨拶を交わし合いながら今日は退勤した。