はじめてのSHIROFES.

wowki
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SHIROFES. 2024へ行ってきた。

SHIROFES.の存在を知ったのは一昨年のこと。私が青森と縁ができたのは9年ほど前。十和田市の某ホテルで半年間住み込みでバイトをしていた。休日には弘前公園にも足を運んだことがある。春から初秋の間、思えば気候の良い時期に滞在できた。夏の青森は日差しの強さが東京よりも幾分やわらかく、山から街へ涼気を含んだ風がさあっとそよぐ。そんな最高な季節とロケーションで国内外から豪華メンバーを揃えて野外ダンスフェスを??発起人は天才&偉大すぎでは...。

バトルはダンスアライブくらいしか現地観戦の経験がなく、ダンスイベントへ行くことも滅多にない生活をしている。にぎやかな人混みも苦手だ。それでも夏の青天下の青森にワールドクラスのダンサーが集結するぜ!ってんならぜひとも行きたかった。今年は都合が着いたので29日、30日と現地で観戦することができた。お目当ては各カテゴリ(ダンスジャンル)のバトル観戦と、HOUSEダンスチームNovel Nextusのショーケースだ。

29日朝、ホテルから弘前公園へ向かう。公園を囲むお濠は緑が映えて瑞々しかった。春はこの緑が桜のピンクで埋め尽くされる。ステージはお濠のさらに向こうだが、すでにスピーカーの重低音がドゥンドゥン響いていた。

追手門をくぐると…

暖簾がお出迎え。「来たぜ!!!!」感が高まる。

メインステージとなるFOREST STAGE。お客さんの多くはダンサーやダンスのファンに見えたが、公園を散歩するような格好の地元住民らしい人もちらほらいた。芝生にはベンチ代わりのりんご箱が置かれていた。

29日は超快晴だった。この日はWAACK、HIPHOP、LOCK、HOUSEのバトルを観戦。HIPHOPは重心を落とす質感が一人一人違うなぁとか、LOCKのストップが「バチーン!!!」と止まる人もいれば「ピタッ」の人もいるなぁとか、踊ったときに作り上げるムードも、みんな違ってみんな凄くてみんな面白い。カテゴリが移り変わるたびに観客が入れ替わるのだが、客層の雰囲気とファッションの傾向もわかりやすくガラッと変わる。

青空の下、緑に囲まれたステージ、芝生のフロア、美味しいドリンクとフード、緑の匂いを運んでくる涼やかな風、そして音楽とダンス。五感が幸せな最高の空間だった。音楽とダンスのある空間って良いな〜好きだな〜!!!と腹の底から思えた。DJがダンサーのスタイルを引き出す音楽を掛ける。ダンサーが場の空気を揺らして、かき混ぜて、作り上げていく。指先やつま先、目線や首の僅かな動き一つで瞬時にオーディエンスを高揚させる。言葉を発しない、ダンスを通じた対話がある。全部の瞬間を鮮明に覚えていたいのに叶わないのがもどかしい。

ふと左を向けばYasminさん、右を向けばSTEEZさん、脇を通り過ぎていったのはKEINさん、向こうから歩いてくるのはValuenceのメンバー、あそこで腕と歓声を上げているのはdipのメンバー…といった具合に、何もしてなくても次々とDリーガーが目の前に現れるので「なんか私……どえらい祭りに来てしまっているんだな……」と現実から意識が遠のくような感覚になった。そこかしこで肩や手を叩き合って再会を喜んだり、挨拶と握手を交わすダンサーがいて、あぁ本当に今日この弘前に全国からダンサーが集結してるんだなと思った。

平川市のクレイジーサイダー。ドライかつちゃんとフルーティーで美味しかった。

SUNNY HOPのホットドッグ。ホットドッグってもっと大味なものと思ってたけど、ここのはパンもソースもソーセージも玉ねぎも美味しく作られたやつらが最強タッグ組んできた!って感じですーごく美味しかった。写真撮るの忘れちゃったけど、他にも地元のお店のレモネードやのどぐろの冷やし茶漬けとかいろいろ食べた。全部美味しかった。

翌日の30日は青森県美術館に行き、夕方からPOPのバトルを観るつもりだった。しかし29日深夜に発表された2ON2バトルの予選通過者をチェックすると、まぁ〜〜〜〜〜ヤバかったのである。若手からベテランまでオールスター感謝祭大乱闘スマッシュブラザーズだったのだ。弘前の時空が歪んでもおかしくない。

県美はいつでも行けるけどこのバトルカードはこの日しか観れないじゃん…!!と県美はスパッと諦め、弘前公園に一日居ることに決めた。

翌朝30日。ホテルの朝食は諦めて目覚ましを掛けずに熟睡。弘前公園へ向かいがてら、地元の喫茶店でブランチ。

チキンケチャップライスを厚手の卵の皮で包んだオムライスと、大きく立派なエビフライ。

陶器みたいにツヤッツヤなキャラメルナッツのタルト。ビジュがとても良い。もちろんお味も!SHIROFESに来たんです、とお店の方と話したら「そうなんですね!どうでした?」と阿波踊りとWACCKをミックスしたような振りでダンスを表現してくれた。

バッチリお腹を満たしてFOREST STAGEへ。

午後から雨が降り始めたけどバトルは盛況。とくにバファリンさん&Aoiさん vs 勇太さん&福助さんがスキルフルかつコミカルでお祭り感満載だった。

どのダンサーも何が凄いのか理解が及ばないくらい凄すぎて何がなんだか…(遠い目) とくに決勝戦が頂上決戦すぎたのでオフィシャルの動画が上がるのを心待ちにしてます。

雨足が強まる予報を受け、夕方からの野外ステージを予定していたカテゴリーは弘前市民会館のホールに会場が変更された。この対応はとてもありがたかった。念の為雨ガッパを持ってきてたけど、体力が保つか不安だった。

コンサートホールでバトルを観れる機会もなかなかない。

ここではPOPの最終戦が行われた。2日間に渡るバトルカテゴリの締めくくりでもあり、最高潮の盛り上がりで大歓声がホール中に反響してた。SEIYAさんの声が通り良すぎてビビる。

引き分けの延長ラウンドも経て、優勝を掴んだのはKENSEIさん!弘前市長からトロフィーを授与。

Novel Nextusのショーケースもめちゃくちゃあまりにも良かった…生で観れて、あの空間に居られて本当によかった。音にスッと溶け込んだ、これ以上の足し算も引き算もないダンス。じぃっと見入る時間が幸せだった。HOUSEの、ストリートダンスの他のジャンル比べると華美さは控えめでどこか淡々とすらしているところがクールで好きだなーと思う。

SHIROFES、これから何年先もずっとずーっと続いてほしい。日本の、海外のトップダンサーのにぎやかな集合場所であってほしい。

ありがとう弘前!超ありがとうSHIROFES.!またね!!!

@wowki
おもに生活記録ときどき回顧録です。1988年福島県生まれ 東京暮らし。