「元気そうでよかった。いや、元気ではないだろうと思うけど」
少なくともこうして遊んでいる今は楽しそうにできるくらいには元気でよかった。久々に話した友人に言われた。自分が観測できる範囲外にも世界は存在していていると知っていること、それを配慮してくれている言葉が嬉しかった。
そういう人になりたいと、ずっと思っている。
外側を思い遣ることができたなら、あの明け方近くにKが死んでしまっているのを見つけたときも驚きは少なかったかもしれない。
「人間できてるなと思う人は、たいてい精神を壊した経験がある。精神を壊さないひとは、人の気持ちに鈍感」みたいな言説を見た。
とある精神科医の所感だったと思うけれど、私の手応えとも一致するなと思った。
「人の気持ちを想像できるようになりたい」「いろんな感情に出会いたい」
物心ついた頃から、常々そう思っている私は、もしかしたら必然的にうつ病になったのかもしれない。