7. 山吹の屋根

wunder
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山吹色の屋根を先にくぐった君が振り返った瞬間、逆光が眩しくて僕にはよく見えなかった。足元ではまだ少し柔らかい落ち葉が揶揄うようにくしゃくしゃと音を立てている。君もそんな風に笑っているといいな、なんて考えながら、僕も後をついて歩いた。

大抵の場合僕より君の方がよく笑うし、ずっと楽しそうに見えるけど、君が笑う理由の殆どを僕はよく知らない。でも君が笑うとなんとなく僕まで楽しい気持ちになれるから、それでいいような気がしてる。

僕たちはいつも大体、そんな風にして毎回違う場所を二人で歩いた。

@wunder
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