水曜日が祝日なのは、落ち着いて過ごせてよい。
■ウズベキスタン旅行準備
交通手段と宿泊先の確保を進めている。都市間移動は鉄道がメインになるが、この鉄道予約が曲者であり悩ましい。特徴は以下のとおり。
Webでのチケット購入が可能。45日前から予約が開始される。なお、Webでのチケット予約が可能といっても決して使い勝手は芳しくなく、決済システムへのリンクがうまく作動せずにクレカ決済ができない場合もある。
予約開始後即満席になる列車もあるため、素早い動き出しが必要になる。しかしその一方で、2週間前~直前まで空席がろくに解放されない列車・区間も存在する。理由(推測)として、①周辺国と鉄道路線を共有しており各国の運行会社の都合で直前まで空席がブロックされている、②政治家や旅行代理店等がまとめて予約しており直前にキャンセルする、など諸説あるが、何が真相かは不明。ひとまず、満席になっている列車も数日前になって空席が出ることは日常茶飯事らしい。また、現地の旅行代理店に問い合わせて確保を依頼することは可能らしい。
本数が少ないうえ、ダイヤが極めて偏っている。大都市同士を結ぶ区間でさえ、1日1本(しかも日によって時刻が違う)しか列車がなかったり、複数本の列車があっても早朝と夕方~夜に偏っており昼間の運行が皆無だったりする。
当初乗りたかった列車が"There are no seats"となっており、次の列車だと翌日の日中を丸ごと移動で潰してしまうのでかなり悩ましい。ひとまず現地の旅行代理店に予約リクエストして返信を待っている(割高になるが、旅程が崩壊するよりは安いものだ)。
鉄道が利用できない場合、タクシー等に頼ることとなるが、さすがに夜間に車で長距離移動は怖すぎるので、日中を移動でつぶしてしまわざるを得ない。この辺のバランス感も悩ましいところ。とはいえ取れないチケットは取れないということだろうから、状況を見ながら判断していきたい。
■本を読んだ
田内学「お金のむこうに人がいる」を読んだ。"専門用語なしで最後まで読み通せる「やさしい経済の入門書」" という触れ込み。
確かに平易なことばで書かれており、非常に読みやすかった。ただしそれは使われている言葉が読みやすいというだけで、内容は結構骨太だったように感じる。一文一文に意味を持たせて書かれてあり、要点もわかりやすく、自分はかなり好きなテイストの本だった。
ざっくりとポイントをまとめると以下のような感じ(最初から最後まで1周一気に読んだだけなので、細部は読みが甘いかもしれないが)。
第1部では、「すべての人が日曜日に休もうとしているとして、そのための準備としてふさわしくない行動はどれか?」という質問を起点に、働く人がいなければお金の力は使えないことを示している。モノの値段は人件費とその利益によって構成されていくし、消費者が自分の得られる効用を踏まえてどう価値を見出すかで決まる。「誰かが働いてモノがつくられ、モノの効用が誰かを幸せにすること(=誰が働いて誰が幸せになるのかが重要)」「お金の価値は将来誰かに働いてもらえることにあること」がポイントとして示されている。
第2部では、「社会の財布」という言葉で、社会全体でのお金の動きを説明している。社会全体でみたときには、お金は増減するものではなく、ある財布から別の財布に移動するものであり、お金が移動するときに労働がモノに変換されている。この労働の蓄積こそが我々の社会を豊かにしてきたのだ、ということ。
第3部では、これを国と国の間の話にブレイクダウンした上で、各国の国内経済のこと、国債のこと、年金問題や子育て負担のことなどが論じられていく。第1・2部の議論を下敷きに、労働の貸し借りや、それによる効用が誰を幸せにするのかという視点で話が進められていく。誰のどのような問題を解決したいかによって取るべきアクションは異なるが、未来の「日本の」問題を解決していくには他国への労働の貸しをつくっていくこと(外国への投資でリターンを得て外貨を得ることも含め)が重要だ、という理解でよいはず。「社会全体」の問題になると、お金では解決できなくなっていく(社会全体でみたときには、お金は増減するものではないから)。
自分にとっては特に、国際経済や日本経済について第3部のように「労働の貸し借り」を軸に説明がつけられていく視点は非常に新鮮で、かつ直感的に理解しやすくてよかった。
世の中の専門分化が進んできて、物事の全体観・大局観を掴むことが難しくなってきている実感がある。私自身の勉強不足も大いにあるけれど、いきなり細かい話にたくさん触れたりテクニカルタームだらけの内容に触れたりしても、「で、どういうこと?」をはっきり押さえることは難しい。その中で、こうした全体の枠組みを丁寧に説明してくれる内容は貴重だなあと感じた。基礎基本の定着が大事とよく言われるが、本当にそのとおりで、こうした内容を改めてかみ砕いて理解していきたいと思う(この本の内容が何もかも絶対ではないだろうと思うが、1度何かを軸として持っておけば、新しい物事に出会ったときにもうまく自分の認識を修正していけるだろうと思う)。