忘れるまでは、その人は記憶の中で生き続けるんだって話。でもさ、思い出にも寿命ってあるんだよね。しかも、もう二度と快復することはないの。
忘れる一方なんだよ、人間ってのはさぁ。忘れちゃうの。忘れたくなくても。こんなにも悲しくて、あの日忘れないって誓ったのに!
だからこうして文章にするんだけども。
感情も劣化するんだよね。文章力とか表現力とか、そういったアウトプットの時に劣化するのもそうだけど、強い怒りや深い悲しみって、後々それを追体験できないの。どんな手段を用いても。つまり、我々は一度経験した過去に立ち会うことを許されないんだ。二度とね。
思い出には灰が降り積もり、だんだんと眠っていく。私をひとりにしないでくれ。私にはお前しかいないのに。