中学の頃からネットゲームに入り浸り、当時は指折りの治安の悪いゲームで他人の悪意は面白いものだと学んでしまった一方で、一番文章について勉強していたのもその頃で、今では理性的に悪意を振りかざすことのできる最悪人間になってしまった。
ファンタジーアースゼロ。もう終わってしまったゲームだけど、当時……LoLに日本鯖がなかった時代、FEZ出身である話をするとみんな無言で逃げていくから黙っていた方がいいよ、とゲーム内掲示板に書かれていた。
当時ニュースを賑わせたネットゲーム発祥の刃傷沙汰も自殺関連の事件も、全部知った名前だった。FEZの問題児だった。痴情のもつれで首を吊ったあいつも、富士樹海に自殺しに行ったのにSOSを出して自衛隊のヘリに救われたあいつも、みんな知っていた。
特にSNSは酷かった。煽りと晒しとでしか他人と会話できない人種がいることを知った。その一方で、悪意とはエンターテイメントを装った方が広がりやすいことを知った。Twitterでもそうだったね。全ての学びは無駄にならない。
おかげさまで、ずいぶんメンタルが強靭になった。変換したら狂人と先に出てきた。うるさいよ。
ただ、まぁ、間違いではない。悪意を面白がっていると、他人への共感性がうすれる。人としてズレているのだ。もう、踏み外してしまった。
ただでさえもうダメなのに、さらに悪いのは同時期に表現について打ち込んでしまったことだ。
今でもこうして文章を書くことはあるけど、書くに困ったことがない。言葉が出てこないとか、どう伝えればいいかわからないとか、そういうのはない。きっとこれからもない。
つまり、相手からの印象をある程度自由に操ることができる。露悪的に書くことも、同情を誘うことも、茶化して書くことも、ハサミを使うより簡単だ。
ふと思ったけど、こんなんじゃダメだろう。人間として終わっている。お前はもう少し、他人に興味を持ち、優しくなったほうがいい。
いいよ。
いいですよ。