夜が好きなのはその先に何もないから

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 夜は自由だ。日中と違って様々なタスクに追われることもない。結局のところ、魅力のほとんどはここに詰まっている気がする。

 夜は、その先に何もないのだ。会議もないし進捗管理もない。ご飯のメニューも決めなくていい、なんなら時計も見なくていい。夜が自由なのは、やらなければいけないことがもはや何ひとつ残っていないからだ。

 もちろん、趣味のあれこれはあるだろう。でもそれは自らが望んだものがほとんどで、そうでないなら自己都合で動かせるだろう。これらにはプレッシャーや義務がない。つまり、自由な部類に入る。自ら首輪や足枷をつける趣味の人もいるというだけだ。

 夜は静かだ。夜は作業に集中できる。夜は落ち着く。

 なぜなら、もう寝る以外にやることがないせいで、自分のために思考を、時間を、その他様々なコストを使えるからだ。

 

  

 雑事が嫌いだ。思考が様々なものに持っていかれるから。

 夜が好きだ。自分と向き合えるから。

 

 世界よ、自由になってくれ。

@xa
副作用は夢を見ること