・ジェニー・オデル『何もしない』読了。
生産性という言葉が個人を追い込み、テック企業はわずかな余暇の時間すら勝手に取引する。そんな現代社会への最大の抵抗は「何もしない」ことだ。異色の経歴をもつアーティストが、アートを観察する自己を解析し、もろくも崩れ去った20世紀のユートピアの幻に触れ、公共空間とケアとメンテナンスの倫理学を学び、生態系の中に光を見出す。その足あとを綴る「抵抗する人々」のためのフィールド・ガイド。
・なんか結構視点...というか話題があっちこっちにいくので、いまいち理解が難しい本だった。それは序盤で語られる通り、明確な方向性を持たない、エッセイという体だからかもしれない。
・解説を読んだら、結構腑に落ちる部分が色々あった。「何もしない」というのは本当に何もしないのでなく「真っ只中にあっても影響を受けない」という境地にたどり着くこと、というのはそうなのかもな、と思ったり。
・新自由主義、資本主義的なものに対する対抗的な姿勢としてはオモコロの原宿さんに似たようなものを感じるものがあるような気がする。