チグハグチーク

xx_7
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着信の音で目が覚めた。ふわふわと惚けた頭で誰からの着信かも分からないまま、就活の癖で上にスワイプして最小化してしまう。窓から差し込む光は寝る前よりいっそう強さを増していて、鳴り止むまで待っていようかなとすべてから逃げるように枕へ突っ伏したところで、これがやっとLINE電話の着信音であることに気がついた。企業からの電話じゃない。

モーニングコールをかけてくれる愛おしい人間はひとりしか検討が付かないから、名前も見ずに通話ボタンを押した。予想通り耳元に飛び込んできたのはあなたの柔らかな声で、夢心地のまま「おはよう」と言った。それからの会話はあんまり覚えていない。寝不足を言い訳に、独り言みたいにたくさん好きだとか会いたいとか伝えた気がするのだけれど、あなたの返答を何も覚えていないことだけが惜しい。きみも同じ気持ちでいてくれんだろうか。もしかしたら会話の途中で何度か寝落ちてしまったかもしれない、ごめんね。次はもう少しお話できるといいな。

一昨日で1ヶ月だったらしいです。まだひと月しか経っていないのだと思うと、なんだか不思議な気持ち。付き合う前は隣にいるだけで心臓が飛び出そうだったし、付き合ってすぐも手を繋ぐだけで震えていたのだけれど、今はきみといるとすごく安心する。知り合いの前でお話するときはまだちょっと緊張するけど。もっと隣にいたいし、手を繋ぎたいし、触れ合っていたいし。きみの腕の中で眠れたらとっても幸せなんだろうなと、来週のお泊まりに想いを馳せています。早く来ないかな、きみと会えない曜日なんて飛ばしちゃっていいから。

昨日のご飯会では、ひっそり女子だけで恋バナをしたりしてました。その代償に、結局あんまり新入生とは関われなかったけれど。考えないようにしてたのに、人の恋愛話を聞いたら早く会いたくなってしまって、お店を出てからは視界の中に君の姿を求めてみたりして。きょろきょろと辺りを見渡していたら後輩の女の子に「酔ってるんですか?」と聞かれたから、大して酔ってなかったのに「かわいい後輩だ、好きだよ!」なんて酔ったふりして笑ってみたのね。そしたら「私も好きです、ああでも○○くんのほうが好きかな」と隣にいた彼氏くんを巻き込んで揶揄われてしまったので、「わたしだって」とつい言い返そうとしたんだけれど、人前で堂々と惚気けることにはまだ慣れてなくて、「わたしだってえ」と尻窄みになりながらゴニョゴニョ言うだけになってしまいました。よわい。

カラオケであなたの姿が見えてからは、浮かれていることを悟られないように必死だった。あなたが隣にきたとき、わたしに敬語を使わないとき、私の挙動が不自然に見えないかどきどきしながら過ごしていた。あなたのことを気にすれば気にするほど他の人に喋りかけてしまうのが私の悪い癖で、思うほどきみの傍に行けなかったことだけがほんのすこしの悔いです。駅までの道でちょっと喋れたのは嬉しかった。こんなことでいちいち喜んでるなんて、付き合う前で恥ずかしいかも。

早くお話したいな。今はバンド会議を垂れ流しながらこの日記を書いています。23時に終わるだろうと高を括っていたけれどまったくそんな様子がなくて、30曲ワンコーラス聴いた後に曲を決めるらしく今は暇をしているところ。あまりにも遅くなりそうだったら先に寝ていてくださいね。