あなたしか見えないの

xx_7
·

お腹がきりきりと痛んだ。上から誰かに押さえ付けられているような痛みが1時間に数回ほど現れ、バカみたいだなと思いながら布団に潜る。もう10年ほど連れ添っているはずの腹痛は大学に入ってから唐突に勢いを増した。薬を買おうかなと考えるのはいつもお腹が痛くなってからで、終わってからは大したことなかったような気分になって結局翌月に痛い目に遭う。

「無理はしないで」という優しい言葉に甘えて2限を亡きものに。思ったより早く駆け付けてくれたあなたを少し待たせて、玄関で出迎えてみたらきみのことが急に愛おしく思えた。そこまで寂しかったわけでもないのに、普段は御目にかかれない眼鏡姿も相俟ってか普段以上に可愛く見えて。抱き締めて正直に想いを伝えたらきみは照れたように笑っていて、その歯を見せて笑う顔がなにより好きなんだということは恥ずかしくて伝えられなかった。あなたの笑顔ほど見ていて元気になるものはない。

あなたと出会って直ぐはいつも、抱き締めたり軽く唇を重ねたりするだけで十分充足感を得られている。はずだ。今日はこれだけでいいやと、短いキスで十分だと毎日思っているのに、結局最後には事足りず色々と求めてしまう。ふにゃふにゃになっていく君を見ていたらもっと意地悪したくなってしまって、愛おしいなと思った。

今日は余裕を見せているつもりだったのに、4限を無くしたあたりからあんまり余裕がなかった。というか、自分があそこまで擽りに弱いとは思ってなかった。いつも腹を撫でられて必死になっているきみを見ては大変だねえと思っていたが、自分がやられるとなるととんでもない。なんかもう息はできないし変な声は出るし。あと最後に変なおねだりをしたけど、どうか忘れてほしい。気の迷いというか、本当に耐えられないくらい恥ずかしかった。もうしない。

週の頭にたくさん会えるくせ、週末にはまったく会えないみたいな構成、アホすぎる!とカレンダーを見ながら思っている。今は明日も明後日も会えるお陰でほとんど寂しさはないのだけれど、また木曜以降はあなたが恋しくなってしまうんだろうなと思います。そのときはまたちょっと甘えさせてね。大好き!