黒一色であっても、光と影で新たな色が加わるように。わたしたちが生きている世界には、完全なベタ塗りは存在しない、と絵の描き方を学んでいるうちに知った。
目に見える表面だけではなくて、内面もたぶん、黒一色の人はいない。けれど、時によって、見る人によって。ベタ塗りに見えてしまうことはある。
その人のことを理解しているようで、自分から見たその人のことしか、結構はわからない。正確な色は、その人本人にしかわからない。だから、どこまでいっても結局人は自分のことしか、わからない。どうしてその人の存在を自分がベタ塗りにしてしまうのか、解像度をあげる。
フィルターを外さないと把握できないことを観察したい。