Color Your Night

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目が覚めたら一日が終わっていた。徹夜でカラオケをした後、朝食を食べるだか食べないだかあなたを振り回すだけ振り回して帰ってからはまだ眠くなくて、朝ご飯を作って食べて、おもむろにPS5を起動しては青い世界に浸る。ペルソナ3に生きる僕は今夏期講習を受けていた。夏期講習に不釣り合いなタロットカードの話を保健の先生から聞いた。大アルカナはひとりの人生の流れで、0の「愚者」から21の「世界」まで魂の成長の旅を描いている。何者でもない愚者から自分の世界を手に入れるまで、自分は今どこにいるのだろうとふと思った。個人的には半分くらいは行ってて欲しいな。大アルカナには「The Lovers」、恋愛とか恋人って訳されるものがあるのをご存知でしょうか。あなたとのことを思えば今はここが妥当なようにも感じたけれど、「恋愛」の数字は6。齢19にして6は牛歩すぎではなかろうか。ここからはちょっとオタクなんだけど、「恋愛」が出てくるまでの大アルカナは「魔術師」とか「皇帝」とか人物そのものがモチーフになっている中で「恋愛」は場面写。登場人物の行動や意志が現れるこのアルカナは、それまで受動的だった愚者が初めて自分だけの物を選択するため能動的になる、やっと自我が出てくるタイミングらしい。そう言われれば告白してくれたのもあなたで、僕がした選択なんて本当に大したものではないからここにすら届いていないのかも。まあ6まで進んだということにしておこう。あなたとの出会いが僕を一歩先に進めてくれたのだと思えば悪くはないかな、次の一歩も見ていてくれるなら悪くはないかな。

こんなことを考えていると狙い通り眠たくなってきた。キリの良いところで電源を切り、ベッドに横たわる午前10時、次に目を開くとデジタル時計には17とか書いててもう。日も暮れて一日を失った僕は途方に暮れていたわけで、何もなせぬまま休日をひとつ食いつぶしてしまった後悔がまだ目を覚まさせる。今日という日に満足しないとよふかしをしてしまうから、ここからの時間で満たさないと。あなたとの電話はきっとそれに十分見合うのだろうなぁ。今日もまたあなたと話すだけの一日になってしまうようだ。