よるべない君に

yacca
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 清らかさなどというものに今更縋るつもりはない。だってとっくに知っている。

 川の澱みに安堵を覚えた白昼夢。

 まちの乱雑な音響が自我を遠ざける心地好さ。

 それでも、諦めの悪いわたしは清らかな朝に眠りたいのだ。

 よるべない君に。

 よるべない愛を。

 当たり障りのない言葉で躱しているだけなのに、昨日の声を知る聴覚はひかりを辿る。

 ばからしいね。いとおしいよ。

  yacca.

@yacca
俳句をつくっています