喪女と愉快な弟夫婦 第218回

やどり
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わしは校則の厳しい高校に通っておったんじゃが、頭のほうは大体平均くらいの学校じゃった。その近くに校則はゆるいが頭のほうもゆるい高校があったんじゃ。

互いの学校は別に仲が悪いだとか喧嘩をするだとか敵対しているだとかいうことはなかった。ただなんとなく互いに「ダサい」「馬鹿」と思っている節はあった。

わしが高校を卒業し、長い時が経ったある日のことじゃ。弟が言った。「校則厳しい高校と校則ゆるゆる高校が合併したぞ」。わしはたまげた。少子化とは言え、わしの時代の校則厳しい高校は10クラスまであった。まさか他校と合併しなければならないほどのことになっておるとは思いもせなんだ。そしてなんと言っても合併相手があの校則ゆるゆる高校なのじゃ。わしはぶっちゃけ、頭のほうの差を思った。「あの馬鹿校と?」わしは思わずそう言った。すると話を聞いていた義妹が「おう?」と反応したのじゃ。わしが「どうした?」と訊ねると義妹は言った。

「校則ゆるゆる高校出身なんだが?」

わしはたまらず叫んだ。

「おほーーッwww」

まさか義妹がそんな近くの高校に通っていたとは知らなんだし、それもなんとなくゆるやかに「馬鹿」と思っておったあの学校出身とは。わしは笑った。

「わしの高校とあの馬鹿高校が合併!?!??www」

義妹は憤慨した。

「うるせ〜、ダサいんだよ!」

わしらは大いに草を生やした。

――第218回終わり――

@yadori
ただひたすら酒を飲んでいたい