昨年の年末に構築したTVの録画サーバを停止しました。昔から録画サーバには興味があり、それと同時にノウハウを公開している技術力ある人たちに憧れがありました。また、普通の録画機と違って録画ファイルを制約なく保存できることにも魅力を感じていました。そういう経緯で自分も録画サーバを意気揚々と組んだはいいものの、この1年の稼働で色々と思うところがあり、結局は利用頻度が減り便利と感じられなくなったので、録画サーバから録画機能を停止する判断をしました。ちなみに現在はnasneでテレビを見ています。
今回は、そんな録画サーバを停止するに至った理由を振り返ろうと思います。
Disclaimer:今回私が組んだ録画サーバはすべてOSSを利用しており、すべての問題は私の技術力で解決できないことに起因します。下記の文章では、OSSで提供されている機能やアプリケーションを批判することを目的としているわけではないことをご了承ください。
録画の問題
まず第一にえっ!?と思うかもしれませんが、録画がどうしても安定しませんでした。理由が分からず録画が途切れたりノイズが乗る(しかもよりによって楽しみにしていた番組だったり)、特にNHKは録画に完全に失敗する、ということが頻発しました。あとは、札幌に引っ越したらそもそも表示すら安定しない局が出てきました。録画環境にOSSを使っている以上、これは私の技術力の無さが問題です。粘り強く解決していくことを最初はやっていたのですが、これにも膨大な時間がかかります。ハードウェア的な問題も考えてケーブルを買い直したり分配方法を変えたりあれこれしましたが解決の糸口が見えず、稼働中は失敗を許容して我慢して利用していました。
TV番組を視聴する環境の問題
YouTubeやnasneの視聴環境に慣れていると、どうしてもOSSの録画サーバとその視聴環境が相対的に貧弱に感じてしまいました。具体的には下記機能がなかったり、あったとしても快適に使えません。
CMのスキップ
視聴途中からの再生
TV番組単位での録画の集約
マウスを使わない操作 (FireTVのアプリ等での視聴)
特に視聴途中からの再生はまとまった時間を取って視聴出来ない時には必須で、YouTubeにもnasneにも標準でありますが自分が組んだ環境では使えませんでした。前回どのあたりまで見たかをシークバーをいじって探すのは、いざやってみるとかなりストレスです。
また、家族でリビングでTVを視聴する際にも、ウェブアプリの場合ではマウス/キーボード操作が一定必要ですし、FireTV等を使ったリアルタイム/録画視聴もNASNEと比較して操作が難しく、私は良くても家族が使いこなせないということで、家族での団欒の時には録画サーバを使った視聴はしなくなりました。
そんなにTV番組をTVで見ない問題
最後の最後にこれかよという感じですが、結局自分はそんなにTVを見ないんだなとこの1年で改めて気付きました。私は地上波のバラエティが好きでよく見ますし、あとはWBSなどのニュース番組もざっと見ておきたいということで録画していましたが、最近はアニメもあまり見なくなり、録画サーバを立てるほど複数チャンネルを同時に録画して見るモチベーションがなくなりました。リアルタイム視聴もほとんどしません。また、TV番組側も視聴環境の変化があり、TVerでサクッと見れたりYouTubeで公式が配信していたりと、必ずしも地上波を録画しなければいけない状態ではなくなりました。こうして何らか代替方法があると、多少不便さやCMなどの煩わしさがあったとしても、そっちでいいやという気持ちになってきます。運用の負荷無くさくっと使えるという便利さは、案外あるものだなと感じます。これこそまさに自宅サーバとクラウドみたいな関係性ですね。
結局nasneが便利だった
録画サーバ構築以前からTVはnasneとPS4で見る生活をしていたのですが、なんだかんだnasneは商用の録画デバイスというだけあって完成度が高いです。そもそも視聴や録画に失敗しませんし、PS4で視聴するのでコントローラーで直感的に操作でき、CMスキップも視聴途中からの再生もあり、iPadでも視聴でき、何も考えずに意図通り動いてくれます。一度SONY製のnasneが壊れてBuffalo製に乗り換えてますが、録画ファイルの移行も問題ありませんでした。
TVの視聴環境として私の期待することが一通り揃っていることから、今後はこちらを主体的に使っていこうという判断になりました。
終わりに
あれこれ書きましたが、録画サーバ構築はなんだかんだ楽しかったです。小型PCを買ってきてハードウェアをあれこれ弄ることなんて近年なかったのでそうした楽しみもありましたし、昔からの憧れを実際に行動して実現できた満足感はあります。録画サーバで出来ること出来ないことも解像度があがったので、今後はより良いTVとの付き合い方ができるのではないかと思います。ちなみに、停止した録画サーバですが現在も自宅サーバとして稼働し続けており、あれこれ個人開発に必要なアプリケーションを動かしたりする場所として便利に使っております。