2017年出版なので特に新しい書籍というわけではないが、何かのきっかけで買って積んであったものを読んだ。
類書として結城浩さんの『現代暗号技術入門』があるが、本書の方がずっとボリュームは少なめ。コンテンツ自体もそうだが、周辺領域の諸々の細かな説明を理解に支障がない程度に省くことで、さらっと読めるボリュームに抑えている。内容は『現代暗号技術入門』の方がとっつきやすく感じた。『現代暗号技術入門』を読んだのがだいぶ昔ではっきりしないが、カバー範囲が微妙に違うのもあり割と明確に棲み分けができていそう。
全体的に意識して用語をちゃんと紹介している印象で、深堀りしたければ自分で深堀りできるようになっているので、とりあえず概観を得たいという人にはとても良い書籍といえそう…?
高機能暗号の章はすごく難しい…。このあたりをさらっと理解できるようになりたいが前提知識としてどのあたりを学習すればよいのだろうか。まぁ何にせよ高校数学すらまともにやってないので暗号まわりは本当に苦手意識が強い…。
以下気になったこまかーいところ
ハッシュ関数の説明で特に説明なく「辞書」というのが出てきてちょっと無理あるかも。「辞書攻撃」まで書いてあればググって辿り着けそう
ディジタル署名の中でサーバ認証に触れるところがあるが、フィッシングの例えは微妙。フィッシングが成立するかどうかと署名者が正しいかどうかはあまり関係がない。
途中で「あれ、そういえばDESとかAESって自分で書いたことないな」と思ってDESを書き始めたが初期転置のあたりでめんどくさくなってきた。そもそも初期転置って何やってるんだっけ?と思って小悪魔女子大生のサーバエンジニア日記に辿り着いたがまじで狂気を感じる。説明がガチなので本当にすごい。