読書メモ: 力と交換様式

yagitatsu
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ナカジさんが2023年に読んでよかった本No.1と言っていたので買ってみた本。

正直、マルクス主義など前提知識がないとわからないところが多々あったので、ハードルは高い本と思う。暇になったら前提知識を獲得したい。

とはいえ、資本主義のあり方に疑問を持っている人であれば読んでみてもよいとは思う。

この本の説明が難しいので本書の序論を引用すると

「簡単にいうと、マルクス主義の標準的な理論では、社会構成体の歴史が、建築的なメタファーに基づいて考えられていた。つまり、生産様式が経済的なベースにあり、政治的・観念的な上部構造がそれによって規定されているということになる。私は、(以下略) そのベースは生産様式だけではなく、むしろ交換様式にあると考えたのである」

簡単に言っても難しいw この本では、生産様式では説明が難しい例として宗教を挙げていた。

宗教は、確かに運営が何かを作って利用者に提供して、利用者がお金を払う、という形で説明することもできるが、利用者がお金を払う事でさらに信仰心を高めて力を帯びる構造もある。

それを、交換様式が能動的に観念的な上部構造に影響をあたえる力を持つ、と捉えているようだった。

さらに、この力は、本書では「観念的」とか「霊的」と言われていて興味深かった。

自分の経験を振り返って見ると、実際に起業して苦しい局面で結果なんとかなったりしたときに、霊的な力を感じたことはある。生産様式は、合理を説明するにはわかりやすいが、非合理を説明するのは難しい。

知り合いの社長にも、めちゃ占いを信じてたりする人もいて、話を聞いてた当時はいまいちピンときていなかったが、この本を読んで、点と点が線でつながった感があった。占いは、観念的な力の存在を信じる人にとって、自身の力を抑えたり増幅させる機能なのかもしれない。

こう考えていくと、「意思あるところに道が開ける」も、さもありなんという気持ちになった。