喜多川歌麿の《青樓十二時 続》は吉原の遊女の一日の生活を2時間ごとに描いた全12図。
妙に刺さった一枚、子ノ刻(深夜0時頃)。
床着に着替え床入りの仕度ををする遊女と、脱いだ座敷衣装をたたむ新造。姐さんきれいなベベからわざわざ着替えてもうひと仕事か…って、浮世絵だとどうしても現実感薄いんだけど、この裏側の一幕を見て彼女たちの息付きを感じた。
ほかの11枚も気になる方は⤵︎(通して見るとぐっすり休まる時があるのか?と心配になる)
鏑木清方《一葉女史の墓》
『たけくらべ』の作者樋口一葉の墓石にもたれかかる若い娘。袖に水仙の花を抱いていることからたけくらべ主人公の美登利とわかる。
たけくらべといえば『ガラスの仮面』の劇中劇でしか知らないけど
これ読んでる時(10才ぐらい?)淡い初恋ぐらいに捉えてて、売れっ子花魁の妹だけれど美登利自身も遊女にならざるを得ない環境、とまでは思い至ってなかったな。
《江戸風俗人形》
3m四方の立体模型。文化・文政(1804〜30)年頃の吉原の妓楼を再現。
人形を手がけた辻村寿三郎の鎮魂の言葉、これはこの作品だけじゃなく今展の全てに通じるな。名文。