今まで技術的な発信はもっぱらZennで行っていたのだが、技術以外の話を発信するために年末にnoteを始めた。
最初はこの振り返りもnoteでやろうと思っていたが、やはりとてもパーソナルな内容を書くにはnoteは重たい気がしたので、最終的にはしずかなインターネットに書くことにした。

という訳で、一年間の振り返りということで仕事やそれ以外のことについても書いていこうと思う。
仕事について
相変わらず大学院からずっと、かれこれ7年ほどispecという会社でCTOをやっている。
自分が入った当初はスタートアップのゼロイチの受託開発をメインにやっていたところから、3年前くらいから医療系に特化して受託開発を行っていた。
元からispecに集まっているメンバーはプロダクト開発が好きなメンバーが多く、例に漏れず自分もプロダクトを作りたいとずっと思っていたが、受託でちゃんと売上を作ることに精一杯でなかなか自社プロダクトを軸にした会社になれなかった。
ただ、今年の7月に始めた医療ドメインでの自社プロダクトはどうやら自分たちの会社の軸になりそうだ。新しいメンバーの力強い支えもあり開発も順調に進めることができている。やはりゼロからプロダクトを作る時の『少しずつ出来上がっていく感覚』は何事にも変え難い。

自社プロダクトを軸にした会社になるため、組織側のカルチャーも少しずつアップデートする試みをいくつか行った。クレドや行動指針を刷新したり、問いのデザインを擦り切れるくらい読みながら全社のワークショップを月1で行ったりなど。
これらの取り組みは良かったことも悪かったこともあるが、結局は一人一人とちゃんと対話をすること以上に重要なことはない。組織の問題が生まれる王道パターンは、組織を主語にした大きな発信に対して個人が持った違和感が放置され膨張していくことで、埋められない溝ができた結果起きるものだと思う。
人は機械ではないから、何かに違和感を持つのは当たり前で、それを擦り合わせる作業を通じて相互理解を深めながら前に進むしかないのだが、そういう当たり前のことを忘れてしまうと誰もついてこれなくなってしまう。
『人は「指示がうまい人」よりも「自分のことをちゃんと見てくれている」リーダーについていく』みたいなツイートをどっかで見た。それは一理あると思う。マネジメントや組織づくりの教科書に書いてあることを実践して何かをやった気になるのではなく、本質的に「メンバーのことをちゃんと知れているか、見れているか」を意識しないといけないなあ、と思う。
発信について
今年は去年と比べて発信する機会を増やした。声をかけてもらったものはなるべく出るようにしたし、自分からも機会を作るための働きかけをたくさんした。
特に大きかったのはObservability Conference 2025の登壇。30分間のプレゼンテーションというのはあまりやったことがなく、練習自体もまともにできなかった節はあるけど時計を見つつ即興で補うこともできたのでまあ及第点。このカンファレンスに登壇して以降、Observabilityへの関心が高まったので業務でいつか使えそうな範囲の技術をたくさん触って記事にまとめたりするようになった。
P.S. 発信が増えたので、それらを一覧で見れる場所を作ろうということで、この年末に自分のサイトを更新した。RSSをうまく使って複数の媒体の発信を時系列順に一箇所で見れるようにしてみた。
スポーツについて
一番の大きな出来事はフットサルの復帰。大学時代のチームメイトがたくさん所属しているチームに入り5年ぶりに競技フットサルに復帰をした。思ったよりブランクが響いていてまだまだチームの戦力になっているとは言えないが、少しずつ感覚も戻ってきている気がするので、あとは年末年始でトレーニングしてちゃんとフィジカル面を戻したい。
あとは夏にサーフィン、冬(というか一昨日)にスノーボードをやった。両方とも3回目くらいなのでまだまだ上手ではないが、うまく波に乗れたり綺麗に滑れた時は、他のスポーツにない感覚を得られる。機会があれば積極的にやりたい。

音楽と映画について
今年は初めてFUJIROCKに行った。呪術廻戦の主題歌、崎山蒼志の燈の弾き語りがとても良くて、それを数ヶ月後の自分が主演する小さいライブでコピーした。難しすぎて完成度はイマイチだったのでもうちょっとちゃんとやってリベンジしたい。

あとは映画について。元から映画はあまり見ないタイプだが、コロナの時にアニメを見始めてからハマってしまい、その延長でアニメの映画だけは見に行っている。個人的に一番よかったのはチェンソーマンのレゼ編。最後のあの終わり方の後に流れるJANE DOEが最高すぎた。ミスチルか誰かが「映画の主題歌は、その映画における最後のセリフである」と言っていたのだが、その最後のセリフにピッタリの曲だった。泣くようなラストじゃなかったけど、諸々に感動しすぎて泣きそうになった。今年出会った一番の楽曲も、もちろんJANE DOEである。
読書について
今年も本は割と読んだが、新しい本を読むというよりは過去に読んで良かった本を読み直すことの方が多かった。これはおそらく、「読書について」という本を年の始めに読んだのだが影響している。
この本では「本を読むことは人の思考をなぞる作業だから人の頭で考えることであって、自分の頭で考えていない」というテーゼの元、ただ本を読みまくっていて自分の思考体系がない人を徹底的に批判するという本だ(読書についてというタイトルにしてはなんとも辛辣だ)。
結果として、仕事の一環で欲しい知識とかを手に入れるためにさらっと何かを読むとかはもちろん必要なのでそれはやっていたけど、それ以外の本は過去に読んだ本をゆっくり読み返すことが多かった。
ただまあ、強いて言うなら今年読んで一番良かったのはレオナルド・ダ・ヴィンチの伝記だ。

ダ・ヴィンチはもともと関心があり、特に芸術、科学、技術を分離させないという哲学が、自分のバイブルでもある『ハッカーと画家』に通ずるものがあって好きだった。すでに何冊かダ・ヴィンチ系の本は読んでいたのだが、もっと詳しく知りたいと思ってイーロン・マスクやスティーブ・ジョブズの伝記を書いているウォルター・アイザックソンという方が書いた伝記を読んだ。役にたつとかそう言うものはないのだけど、読む度に好奇心を刺激してくれる本、という感じだ。
あとはハイデガーの哲学も割と時間をかけて読んだ。日頃使わない思考の筋肉を使う感じがなんとも面白かった。準レギュラー(?)の趣味としての学問でもこの本の内容をすでにしゃべっていて、絶賛編集中である。
健康について
去年に患った肺気胸クラスのものは特になかったが、夏にはコロナ、冬にはインフルにかかり季節感のある男になってしまった。元から体調を崩しやすい質ではあるが、運動を継続的にしていることもあって例年よりは体調は安定していたような気がする。
来年に向けて
仕事での来年のテーマはシンプルに「カオスな状況でも常に方向性を示し続けること」だ。来年、導入が増えたり新しい市場を開拓するための開発も進めていくとなると、社内外からいろんなニーズが飛び交うようになるだろう。そんな中でも、特に自分が見ているプロダクト開発や組織づくりにおいて、「今、何にフォーカスをするべきか」を常に示し続け問い直し続けることを意識したい。
個人としてのテーマはこの二つ。
強度の高い運動習慣を作ること
ハッカー的精神を取り戻すこと
強度の高い運動習慣
運動は例年よりはたくさんできた気がするが、まだ習慣というかルーティーンとにまでなっていないし、強度もあまり高くはない。3時45分に起きる超人を目指すつもりはないけど、なるべく意志力を使わずに運動ができるようにすることと、強度をちゃんと上げて身体的なパフォーマンスを上げたい。フットサルだけでなく日常生活にも活きるはず。
ハッカー的精神を取り戻すこと
ハッカー的精神を取り戻すとはつまり、技術とちゃんと向き合い直すということだ。自分はCTOなので逆にそれをやらない方がおかしいという話もあるが、とはいえ事業側も見ることがあったのと手を動かす時間もプロダクト開発に閉じてしまっていて、特に年の後半は新しい技術を触る時間が少なかった。
ただ、やはり自分の技術力を上げる営みは寝ても覚めても重要だ。この年末に、机上で調べてわかった気になっていた技術をちゃんと触ったり改造したりしてみたのだが、やはり圧倒的に見える世界が変わる。それくらい自分で手を動かして触ることのインパクトは大きい。
これはCTOとしてエンジニアとして『やるべき』という話というよりは、どちらかというと「自分の技術力を磨いて新しい問題を解けるようになる」というハッカー的精神が自分の仕事のモチベーションの源泉であり、その営み自体がセルフケアにつながるということを再認識したという感じだ。年末の一過性のものではなく、日々の習慣として継続していきたい。
2025年も周りの人に恵まれ非常に充実した一年になりました。何より、毎日のように顔を合わせるような人たちに対して、自分がちゃんとリスペクトを持って接することができているのは何より精神衛生的にありがたい話です。『リスペクトを持つ』というのは私個人の心の持ちようだけではなく相手次第な部分もあると思っているので、その点は本当に周りの人たちに恵まれているなあと思っています。
2026年も引き続きよろしくお願いします。