愛情なのか、執着なのか

山田 唄
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公開:2026/2/13

 割と人から舐められやすい人間である。仕方がない、普段目立った"意思"の主張をしない上に、人の言うことをまず黙ってケツまで聞く癖があるし、その上で反論の必要がある時にもなるべく相手を傷つけないような言葉を選ぶのが習慣化していて、まあそのような穏やかさが平素から言葉や全身より立ち上っているのだと思う。

 結果、用事があって外出している時に、ちょいちょい道を聞かれたり、しばらく前には「電車代がなくなってしまったので貸してください」といきなり道端で知らない人に詰め寄られたこともあった。ネットにおいてはひたすら他人に絡まれる。

 面倒臭いなあ、と思っているんだけれども、この「人に愛着や執着を持たれる性質」から得てきた恩恵もまた計り知れないので、物事にはプラスとマイナスの面が必ず両立しているだけでありこれが道理なのだ、と割と長期間我慢してきた。

 が、まあ、いい加減俺も歳をとり、出力に回せるエネルギー量が年々減少の一途を辿っている。一方でネットでの露出はフォロワー数の増加という形でどんどん増えており、結果としてよくわからない人に絡まれる機会自体は徐々に増えてきているのであった。

 本来お絵描き以外には一ミリたりとも体力を使いたくない人間であるのに、これは困る。人間関係の修復やら維持やらにHPとMPを取られ過ぎている。

 先日は、世界が良くなることには賛成だが、もう少しゆっくりやってもいいのでは。という呟きをSNSでしたところ、「いつまでゆっくりやるの???」みたいなリプを全く知らない通りがかりのアカウントから頂戴した。どうやらその人はLGBTQ的なマイノリティに当たる人だったようで、俺がマイノリティの思想に関して言及した言葉を部分的に拾ってめちゃくちゃ極端に解釈し、こいつは俺たちの敵だ!!!!という勢いで喧嘩をふっかけたくなったらしい。辛抱強く「落ち着いてください」「俺はあなたの敵ではないです」と言い続けているうちにブロックされていた。

 また先日は、たまたまSNSで繋がったどこかの専門学校で講師をしているだかいうイラストレーター兼アニメーターだかいう人に、何度も何度も空リプでアドバイスをされた。やめてくれ、ということを割と辛抱強く態度で示し続けたのだが、全く理解する様子がなく、俺が「俺は絵が下手だな〜〜、上手くなりたいな〜〜〜」という呟きを打ったところに被せて「これこれこういうわけだから絵が下手なんだと思う。あれそれみたいな対策をすればいいんじゃないか」という聞いてもいない持論をぶち始めたので、諦めてブロックした次第である。

 こういうことが割とちょくちょくある。先にも言ったが舐められているのである。こいつならどれだけ殴っても殴り返しては来まい。俺の権威を示すための、ないし俺の鬱憤を晴らすための道具として利用してやろう。という、まあそのような無意識下での思考の動きを感じる。

 結局、人に執着されやすいところがあるんだよな。先にも言ったように、俺はただ平和にお絵描きだけして生きていきたいだけであるので、もうちょっと人間関係を整理しないと本来やりたいことが為せなくなるのだが、人間が多数集まると一定数はなんかおかしい人が含まれるので詮無いところがある。

 愛情と執着とは紙一重であると思う。彼らもつまりは、俺に対して親しみを感じているがそれを表現する手段がわからないからかけるべき言葉や態度を間違えてしまうのである。本当は俺と仲良くなりたいのだ。

 まずコミュニケーションについて学んで出直してきてくれるとありがたいな、と思うが、まあ彼らみたいな人間は自分の行動に対して反省や内省を持つことがそもそもないのだろう(あるのであれば誰彼構わずあんな行為には及ばないであろう)から、面倒くさくても一回一回ブロックやミュートで棲み分けを実行するほかない。

 はあ〜〜〜。生きるって難しいですね。

@yamadauta
創作やりながらギリギリで生きているおじさん。ここには普段考えてはいるけれど表に出せないタイプの思想強めの文章を書いて出ししていこうと思います。