私はある。それも頻繁に。絵を描くたびに「俺すげ〜〜〜」「俺、世界一才能があるんじゃないか??」という大層青天井な感情に駆られ、ぐんぐん自己肯定感と自己愛が増長していった末に自分より何百倍も上手い人の絵を見て自信がポッキリ折れる、という流れを繰り返している。もう何千回繰り返したでしょうか…死ぬまでこんな感じなんでしょうね…。
おそらく、絵を描くと脳内物質、それも快楽や興奮を司る物質がドバドバ出るのが問題なのだ。ドーパミンやアドレナリンといった物質が、ほとんど際限なく溢れてくるのである。一種の躁鬱状態だと思う。
これを、創作躁鬱、と呼んでいる人の記事を読んだ。わかるオブわかる、キングオブわかるですわね、優勝〜〜〜!!! の気持ちになった。
まあ何が言いたいかと言うと、作業後、ないし作業中の興奮に弛んだ脳で判断した事柄は大体閾値がおかしく、当てにならないという話である。大抵の場合自分を過大評価しているか過小評価している。興奮物質が出た際に、気分が盛り上がってイケイケになるか過度な集中状態に突入してむしろ感覚が冴えるかは、割と個人差があると思うのだけれど、私はイケイケになるタイプらしく創作をやるたびに自分を過大評価してしまう。これを解決するためには物理的に頭を冷やすしかなく、まあつまりは休憩、クールダウンが不可欠ということだ。
こと、興奮状態に陥る体質が常態化していると、ほとんど疲れを感じないことが多く気がつくとめちゃくちゃ消耗していてまとまった休養を取らなければ立ち上がることもできない、くらいまで疲弊していることが日常的にある。私はその度に丸一日寝て帳尻を合わせるのだが、できればそこまで削がれる前に頭を覚ます、つまり覚醒状態を上手いことコントロールできればそれが無論理想であろう。
ただ、興奮して俺スゲー状態になることにも一定の恩恵はあって、自己肯定感が高まっている時ってあらゆる新しいことに対するハードルが下がるじゃあないですか。要するに何にでもチャレンジしてみようという気になれるのである。前向き、ポジティブなシンキングを持てるわけですね。
日頃から物事を難しく考えがちで、石橋を叩いて結局渡らないことが多かった自分にとって、この俺スゲーの無敵状態時にいろんなことに見境なく手が出せる状況は、実はかなり助かっている。何かっていうと行動しないとそれに付随する成功も永遠に手に入らないので、とりあえずやってみる、ということをやるようになってからさまざまな成功体験を経てきたのだ。その結果幸福物質(セロトニン)の量すらも増加して精神が安定してきたので、まあ何かっていうとこの俺無敵、の倒錯状態も悪いことばかりではないなと。
最終これもバランスが大事という話であって、興奮時にやらかしたことの後始末は冷静になってからつければ良いし、無茶はできる時にやっとくべきだなと最近思うのである。
特にオチはないですが、そんな感じです。