喧嘩を売る前に相手をよく見ようね

山田 唄
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 今回は反省の記事である。

 私は平和主義者だ、と自分では思っている。喧嘩や争いごとがとにかく苦手で、自分に突っかかってくる人を捌くことにすら酷い疲労感を覚えるし、口論や陰口といった割と常日頃見る諍いについてもなるべくなら自分とは関係のないところで行われていて欲しいと思っている。

 まあかといって善人というわけではなく、怒りや悲しみを発露させることで気持ちがぐわんぐわん上振れたり、大声を出して怒鳴ったり他人にイライラすることで疲れるのが嫌なのだけど。

 そんなようなわけで、こちらから他人に喧嘩を売ることも滅多にない。滅多にないのだが、たまにどうしてもイラッとした時に「それ違うんじゃないですか??? 私は違う意見を持っているので今からあなたを叱ります」みたいな気持ちにさせられることがある。本当にごく稀に、という頻度ではあるのだけれど。

 しかし、実際に相手に「あなたはこう言ってるけど実際はこうなんじゃないですかね…」みたいに掛け合いに行くと、存外相手も「いや、私はこれこれこういうわけでこういう考えを持つに至ったんですよ」みたいなことをしっかり説明してくださることが多く、その言を聞くと私の方でも納得できることが多いのだ。

 今日もちょうどそのようなことがあって、「相手に突っかかっていく前に相手の主張を一旦さらって、あらゆる可能性を想定しておいた方がいいな」とひどく反省した。

 まあ、私が最初から喧嘩腰にならずに、あくまでもフラットに話しかけるテイで意見をぶつけるから相手も丁寧に答えてくれるのだと思っているし、そこは自分の美徳の一つと言ってもいいのではないかと思っている、が、その一歩先に相手の主張したいことをきちんと理解して、自分の中の意見とすり合わせる、という道があるように思う。それさえ遂行できれば相手に労力と時間を掛けることを強いる機会を、率直に減らせる。

 「自分の方が間違っているのではないか」という考えを、常に持てるようにしておくのが大事だなと思った。そして、それは相手のためばかりではなく、争うことのコストを削減できることで自分にとっても有益なのである。

 そんなことを言いつつ今日もそろそろ寝ます。おやすみ。

@yamadauta
創作やりながらギリギリで生きているおじさん。ここには普段考えてはいるけれど表に出せないタイプの思想強めの文章を書いて出ししていこうと思います。