光の差す方から、闇の中は伺えない

山田 唄
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 以前付き合いがあったのだけれど、やり取りをしてるうちにみるみる病み始め、次第に攻撃的になり特に私に対して重点的に攻撃的な言動を取り始めたので、仕方なく縁を切った人がいる。今ほど作業の息抜き、というわけでもないのだけれど、思い出してついその人のブログを読みに行ってしまい、どんよりした気持ちになってしまった。相変わらずぐるぐると病んでいるみたいだ。

 どうすればこの人を救えたのだろうか、と考える。そもそも救われたいと思っているように見えないし、病んでいる自分に陶酔しているように見えるので、この人にとっては病み続けていることがすなわち自分のアイデンティティであり幸福になることよりもずっと重要なのかもしれない。

 人間には放っておいても光の差す方向に向かって地道に歩み続ける人と、どんなに手助けをして介添してやっても闇の中から抜け出せない人がいるなと思う。件の人は間違いなく後者であり、要するに根本の性質が「闇」なのだ。

 そこいくと私や現在付き合いのある人の大部分は前者であり、彼らとは互いに励まし合い、尻を叩き合い、プラスな言葉を掛け合ういい関係性が築けていると思っている。「光」属性の人間同士は互いに高め合い協力し合う、非常に前向きな働きかけ合いができるのである。

 一方で「闇」属性の人間は、光属性の人間に対しても闇属性の人間に対しても、ひたすら依存的にまとわりついて相手からエネルギーを奪う。時に自らの不調や希死念慮をちらつかせ、俺のことを助けなければ俺は今すぐ死ぬかもしれないぞ! だからお前は俺を全力で慰めるべきだ!!! という方向に周囲の人間の感情を誘導する。そうやって周りの人間の選択肢を奪って自分以外に目が行かないように引き付けて、最後には「飽きた」とか「しんどくなった」などと言ってそれまでの関係をバッサリ清算してしまったりする。

 こうした闇属性の人たちと付き合っていると、率直に消耗するんですよね。彼らは視線を集めれば集めるほどより病んでいきますし、悩んでいる自分、世界にひとりぼっちの自分、という状況に自ら酔っているので、そこから抜け出すつもりが根本、ない。なんなら気に入った人間のことは同じような暗がりに引きずり込んで、巧妙に闇属性に変えようとする。

 その人のことは救えなかったけれども、結果離れてよかったなと思っています。

 見に行ったブログの記事で、その人も私の書いたブログ記事を偶然目にしてしまってメンタルがやられた、と書いていた。私たちはどこまで行っても火と油の関係らしい。だったらもう交わらないようにするほかないでしょう。

 その人にも幸せになってほしいけれど、その人にとっては私のこの気持ち自体が煩わしいんでしょうね。ごめんね。あなたを救ってやれなくて。

@yamadauta
創作やりながらギリギリで生きているおじさん。ここには普段考えてはいるけれど表に出せないタイプの思想強めの文章を書いて出ししていこうと思います。