ここまで「書きたいけど書かない」状態から「書きたいことを書ける方法を知った」状態になった。だが、きっと新しい手帳を買っても、また続かないのは目に見えている。
問題は「めんどくさ」と「飽き」だ。何を始めても、やめられてしまう。
そうだ、続かないのであれば、やめられない理由を作ればいい。
金をかけるんだ。
安直すぎて、いかにも失敗しそうだとは思いつつ、なりふり構ってられない。まずは思いつくことをやるしかない。
手帳カバー
僕はシンプルなものが好きなので、身に着けるファッションは無地が多いし、スマホケースは透明なカバー、アクセサリーも苦手だがスマートウォッチだけ体調管理やサウナ用にしょうがなくつけている。
過去に手帳を使った時も、手帳カバーは透明なものや無地のものを選んでいた。だいたい千円くらいで手に入る。
まずカバーを変えてみる。
シンプルさはほしいので、無地にしたい。そうすると、革だ、革の手帳にするしかない。
話が少し逸れるが、僕はジビエ肉が好きだ。
ラム、カモ、イノシシ、いつかクマも食べてみたいなぁ。ジビエはクセのある味が臭みがあると言われるが、肉のクセを臭いと思ったことはない、全然うまい。
動物園に子どもを連れて行くと、あの動物は食べれるのかなぁ、なんて考えてしまう。道端で出くわすワンちゃんネコちゃんには思わないけどね、あとクマは食べてみたいけどパンダを食べたいとは思ったことはないので悪しからず。
そんなジビエ食がブームにもなりつつあるらしい。肉は食べるが、皮が余る。肉以外を廃棄することを問題視して、その皮を利用するジビエレザーというものがあるらしい。
これを取り入れるのは自分らしくて良いなぁ、と思った。
「この手帳カバー、ジビエなんだぜぇ。畜産されている牛にも牛革とかはあるわけなんだし、山から命を頂くジビエも皮まで活用するのが人間のエゴに伴う責任だと、僕は思うんだ」なんて言ってみたい。
既にSDGsな価値観で生きているような気になって調べてみると、どうやら1万円を超えるみたい。手帳を含まず、で。
……高すぎる。いままで千円くらいで買っていたのだから、10倍はする。
いままで継続してこれなかった手帳。今回も続く保証はない。そのカバーだけに1万円超。もし手帳を使わなくなったら、手帳カバーだけが残り、無用の長物もいいところだ。
……今じゃない。ジビエ通の皮を被る自分の姿は未来の楽しみにとっておくことにした。
革の風合いの手帳カバーは2千円〜5千円くらいで売っているようだ。色もいくつかあるなかで、もうアラフォーなことも考慮して、落ち着いたブラウンにした。
名入りのペン
僕はとにかく物をなくす。ペンや消しゴムなんて生まれてこの方、いくつなくしただろうか。もはや、なくなっているのではなく、異次元に行って返ってくる神隠しのようなものだと思っている。実際、返ってくる物も中にはある。
なくなることが当然のことのように感じているからか、なくなるつらみはあっても、なくして悲しいものではなかったと思う。
手帳を書くにあたって、手にしていて気持ちいい、なくなったら悲しくなるようなペンを使おうと思いついた。
Amazonで調べてみると、3千円そこそこでペンに名前を掘ってくれるサービスがあるらしい。文房具の世界は奥が深い。ペンに3千円というのは、感覚的には中の下くらいのクラスの、普段使いするけどちょっとこだわったペンといったものが買える感じの価格帯。手が出せないわけではない。
加えて僕は書き損じが多い。どんなにがんばっても何かを書き間違える。全ての書類に鉛筆で下書きをしたいくらい。なので、擦って消えるフリクションにすることにした。
握るところは、手帳と合わせてブラウンの木製。3千円でも、パッと見、高級感があるような気がする。
キミはきっとなくさないよ。名前もついてるから、離れても戻ってこれるね。
ペンケース
どうしてもなくす前提になってしまうのが、本当に情けなく恥ずかしいのだが、それはもうしょうがないので、工夫するしかない。
なくなるのは、あるべきところにないからだろう。
そのままどこかに置いていってしまう、落としてしまって気づかない、他のペンに紛れてしまう、カバンのどこかに転がっている、ノートに挟まったままになっている、などいろいろある。
なので、書いたらしまう、ができるペンケースが必要な気がした。まずペン1本より物理的に大きくて気付きやすい効果がある。そして、手帳、ペン、ペンケースを三種の神器かのようにセットで扱うことも重要になってくる。手帳だけ、手帳カバーだけ、ペンだけ、それぞれを個別にこだわるのでは足りない。ひとまとまりになっていることで完成する。
手帳にバンドで固定できるペンケースを探した。もちろん色は統一感を持ってブラウン系。2千円くらいで調達できた。
僕らしい手帳
手帳自体に4千円
カバーに2千円
ペンに3千円
ペンケースに2千円
合計で1万円ちょっとの手帳セットになった。
モーニングページやバレットジャーナルは普通のノートとペンで書けたわけなので、それに比べると、どえらい金額になってしまった実感がある。
これを無駄にするわけにはいかない。
書くぞ、手帳を、ついに。