Jカーブ神話

yamotty
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  • 日本のスタートアップからは巨大な企業が生まれないのが問題だ

  • FacebookやAmazonのように大幅な赤字を掘って、その後黒字化すると急激に利益を生み出すようなリスクのあるモデルに投資ができないからだ

  • 本質的にはスタートアップはそのようなJカーブと呼ばれる成長を目指すべきだ

  • 起業家も投資家も、そういったリスクを取れる市場をみつけ、リスクを取った企業運営をすべきだ

という要素のどれかをもつ言説があったとして (仮定の話です)、とりあえずJカーブ神話とする。

Jカーブ神話で言う「赤字」とか「黒字」とか「利益」が何を指しているかが非常に曖昧だというのがより問題だと思ったりする。

PLなのかCFなのか。仮にPLの話をしているのだとしたら、それは本当に正しい神話なのか。

よく例に上がるAmazonは上場来2016年までPL上はほぼ利益を出さなかったが、営業キャッシュフローはずっと大幅な黒字であり、本業はキャッシュを生み続けながら財務的に許容可能な範囲で投資へキャッシュを投じてきた。

企業の生命線はキャッシュであり、増資や融資はそのキャッシュを外部調達 (財務CF +) すること。この外部調達に依存している状態というのは、生命維持装置をつけながらも外でツッパって生きながらえている状態とも言える。

ツッパり続けた代表企業といえばUberで、毎年ビリオンダラーマイナスキャッシュフローから、2022年にはじめてキャッシュフローが黒字に転じて、生命維持装置を外した。そこまで外部調達をし続けたのは文字通り桁違いだ。

Uberのように生命維持装置を外し、ちゃんと成長をする企業もあるが、スタートアップの平均的な結果が死であることを考えると、ほとんどは生命維持装置を早々に取り上げられ、取り上げられたら生きていくことのできない企業であると仮説が立つ。

Amazonは一見Jカーブ神話企業だが、財務体質は全くそんなことがなかったということになる。嘘Jだ。Amazonは投資CFがそれほど獲得できなかった世界線でも、一定の規模には達成したと推測できる。

Jカーブ神話 vs 嘘J神話。どちらの道を進んだらどういう結果になるのか。経営には未知が多い。

@yamotty
しずかなyamotty。 ブログ→ yamotty.tokyo