創業者モード

yamotty
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Paul Grahamが更新した最新のエッセイに共感した。

Airbnbの創業者であるBrian Cheskyによると、従来の「良い人材を雇い、自由にさせる (権限委譲し、関与を避け、指示を出して見守る)」というアプローチは、実際には創業者にとっては効果的でないことがある。創業者がこのアプローチを試みた結果、期待した成果を上げられず、逆に失敗することが多いことが明らかになったという。

またこのアプローチは、プロフェッショナルなマネージャーが使うべきもので、創業者特有の方法論が欠けていると結ばれている。

創業者CEOとして会社を巨大に成長させたBrianだからこそ、というのは強烈なバイアスとして存在するものの、自分の身を顧みても違和感がない。

そもそも、自ら社会に手を加えたくて、創業者は創業者になる、という点ではすべての創業者は共通している。私もそうだ。

私も今の会社を経営しはじめて7年になるが、あるタイミングでふと自分の手から仕事が離れていった瞬間があった。この上なく苦痛だった。権限委譲を意識し、できる限りを他者に渡していこうと試みた帰結だった。

いまは再度顧客とプロダクトの現場で手を動かし、事業を起こそうと必死になっている。大変ではあるものの充実がある。そういうミクロに充実があるときほど、経営という俯瞰したレイヤーでも良い判断ができている実感がある。

昨年までの経営経験で私が得た最大の学びは、「他人の学びは、自分にとってはクソ以下である」というものだ。自分の頭で考え、暗中の中で意思決定し、試行錯誤の上で得た知見以外には自社や自分の役には立ちやしない。

人の「こうすればうまくいく」「こうすべきだ」という話に耳を傾けるのは程々にし、創業者は自分のビューで決めて、動かしていく生き物であるべきだと思い直している。

@yamotty
しずかなyamotty。 ブログ→ yamotty.tokyo