長男はいままでスノースポーツと縁がなく9歳を迎えた。3歳でリフトに乗らされてゲレンデデビューしていたらしい自分とは対象的だが、青森への帰省を機にスキーに挑戦させてみた。
初めはブーツを履いたりスキーを嵌めるだけで四苦八苦していた。雪山の麓をテクテクと登り、上でスキーをはめて、ハの字で降りる。これだけでも苦労していたが「楽しい」を連呼して没頭していた。
2時間ほど経ったところで自分の古いスキーがあったので「いってみる?」とリフトに誘った。リフトは怖がって乗っていたが、山頂の景色に感動したらしく、しばらく言葉を失っていた。
山頂からの坂道は初めて見た彼にとっては崖に映ったかもしれない。怖がりながら、何度も転がり、立ち方がわからないところから頂上を滑り降りてきた。
途中、転び方のコツや、ハの字からのブレーキのためにうまくカーブをすることを教えた。
教えたことを忠実にやろうとするのは彼のとても良いところで「ナイス」とか「うまい!」とか声をかけながら、転ぶことやゲレンデが怖いものにならないように一緒に時間をかけて降りてきた。
中腹を過ぎたあたりだっただろうか。急にコツを掴んだらしく、S字にカーブを曲がったり、転ばずに麓まで降り切るような滑りを見せた。感動した。
下で待ち構えていた家族は、さっきまで麓で苦戦していた長男がたった1時間で見違える姿になって驚いていた。
長男はもっと滑りたがっていたが、タイムアップ。そのあと何度も「お父さんありがとう、またすぐこよう」と興奮気味に話していた。今はもう疲れから熟睡している。
転んでもすぐ立てる彼の姿に、学ぶ力の本質を見た気がする。私も何度転んでもすぐ立とう、って思いながら見させてもらった。
初リフトおめでとう。そろそろ髭を剃らないと…。