毎年Abemaで楽しみにしている企画、RAPSTAR2025が今年も幕を閉じた。
2位になったラッパー、Masato Hayashiは自分の代弁者だと思って応援していた。
彼の曲を初めて聴いたのはPablo Blasta名義のときの「Tokyo young OG」なので、もう9年も前になる。
2017年はBAD HOPが「Mobb Life」を、唾奇が「Jasmine」をリリースし、日本語ラップというシーンに明らかに火がついた年だった (と、記憶している)。
そのシーンの傍らで、Pablo Blastaはスターという程の脚光を浴びていたわけではない。そしてシーンを見ている一人のファンとしては、存在を認識している、程度の状態だった。
彼の曲をより聞くようになったのは、彼が懲役生活から出てきてMasato Hayashiに名義を変更し、より活動を本格化したタイミングだった。2023年ごろだったと思う。
改めてラップゲームの中でのコミットメントを素直に歌った曲「やるしかねぇ」が当時の自分の心情と重なった。
世間的にもスマッシュヒットとなり、この曲が収録されたアルバム「Issue」が彼にとっても本格的に世の中に出ていった作品だと思う。
そこから毎年リリースされるアルバムを楽しみにしていた。2024年の「1」、2025年の「MELANISM」。シングルやフューチャリングも含めて全て通ってきた。
若いラッパーの台頭が激しい中で、近い世代の彼が挑戦している姿に、別の職業人ながら刺激を受けてきた。
自分にぶっ刺さる曲はとにかくハングリーさとコミットメントを歌った曲だった。同じトピックを全く別のアートに消化するのが彼はとにかくうまい。
本人は「メロに逃げた」と言っていたが、メロディーと詰めたラップの融合による聞き心地と、リリックの裏にある背景を想像できる面白さの両立が高い次元で両立している。
「やるしかねぇ」「死ぬほど」「Vibes!」はいずれも彼のアルバムにおける代表作だが、歌っているトピックは共通している (と、自分は受け取っている)。
あえて言語化するなら、「過去自分の変えられない過去・過ぎてしまった時間を受け入れて、今に賭け、言い訳をせず魂を削り、自己ベストへ没頭する不退転の決意と精神性」だと思う。
起業をして、ようやっと前に進んできた自身と重なる部分が心を打った。
Spotifyの月間リスナー数も毎年見続けてきた。近年はやっと5万人を超えるようになってきていたが、それよりなかなか上に突き抜けていかないことに、Masatoファンとしてもヤキモキしていた。
※昨今の売れているトップ層のラッパーはだいたい20~30万人規模の月間リスナーを抱える。
そんなMasatoが、RAPSTARのようなコンテスト番組にエントリーしたのは今年一番のサプライズだった。その意図は本人も番組の中で語っていた通りだが、なりふり構わない姿勢はむしろカッコいいと思った。
長年のMasatoファンは、自分と同じように「彼に報われてほしい」と思いながら応援していたはずだ。
この番組で彼が制作した3つの曲は、すべてが先程あげたような精神性を歌った曲だった。そしてこれらをライブ披露した最後のパフォーマンスは本当に圧巻だった。
審査員もコメントしていたが、間違いなく誰かの人生を変えたと思う。うちの長男と次男にも影響は届いている (ライブパフォーマンスをAbemaに課金して何度も見ている) 。
番組終了直後、新曲を発表しこちらも勢いよく再生数回数を伸ばしている。
Masatoの歌詞を解説させたら世界一のNihon Rush Hourのリアクション動画も合わせて見てみてほしい。
Spotifyの月間リスナーも自分が観測して依頼、初めて9万人を超えた。この調子でコアなファンが拡大していき、彼がのし上がっていく姿を見届けたい。
自分の今年再生した楽曲も「Vibes!」だった。自分にとっては間違いなく2025年はMasatoの年だった。

最後に、Masatoにスターは似合わない。スターとはどこから見ても1番輝く、一番高いところにあるものだ。ある意味、マスのための存在とも言える。
Masatoが歌う高度な精神性や、現状を受け入れ没頭する姿はむしろ小さくとも一国の主のそれに近い。彼にはキングの称号のほうがよく似合う。