うる星やつらは地球の高校生諸星あたると宇宙鬼娘ラムのドダバタラブコメと思ってる方も多いと思う。しかしあたるは当初幼馴染の三宅しのぶと付き合っていた。そこにラムがきて気づけばしのぶの座はラムにとってかわられていたのである。なんでも元々あたるとしのぶの二人をメインカップルにしようとしていたところラムに人気が出てしまい…という大人の事情らしいが真実はわからない。
ラムが現れてしばらくはしのぶ、あたる、ラムの三角関係で話が進んでおりあたるもしのぶの方を好きととれる話の展開だったのだが段々とそこにラムが深く食い込んでくるのである。元々女好きのあたるはラムに、というよりラムにくっついてくる美女にうつつを抜かし遂にしのぶが愛想を尽かす。
しかしそれでもあたるはしのぶをしばらくはあきらめなかったししのぶもあたるに未練があったようだったがやっぱりあたるの病的な女好きにより思い直す羽目となっている。
あたるとしのぶは幼馴染だ。付き合ったのも一番近い異性だったからかもしれない。というのもしのぶはわりと現実的な女性だ。年頃の女の子らしい理想を抱きつつも何せ付き合った男がアレである。必然的に現実的な思考を持ち合わせていなくてはならない。
話は進み、すっかりあたるとしのぶは付き合ってたことなんてすっかり過去とばかりに異性の友人として接し合っている。あたるが毎回モーションかけるのは挨拶みたいなものだ。しのぶはすっかり「女の一人」になっていた。しのぶも幼馴染としてどうしようもないやつくらいにしかあたるを意識することは無くなっていたように見える。
ただ原作者はなんだか宙ぶらりんになったしのぶの物語を気にしていたようで後半彼女をメインにしたストーリーをちゃんと描いている。ここでおもしろいのがあたるの行動だ。普通なら元カノの新しい恋だ。自分にも恋人がいるのだから見守るなりしてやれば良いものをヤツは普通ではなかった。普通にそこに自分も交ざってくる。しかしこれもただの女好きゆえの行動とみるにはしのぶとの関係をみているとちょっと違うのかなと思う。あたるにとってしのぶはちょっとだけ特別な存在だった。「女の一人」プラスの存在である。だから大事な彼女の新しい彼を見極めてやろうという魂胆もあったのではないかなと思っている。
かくしてあたるとしのぶはそれぞれ別々の相手と歩んでいくわけだが…ちょっときになる話がある。うる星やつらには未来を描いた話がいくつかある。そこにはあたるとしのぶがくっついたパターンも存在しているのだ。初期の場合はまだわかるがこれがかなり後半になってもあるということは…?とちょっと勘ぐってしまう。
今となっては野暮な話だが、あたるとしのぶの物語だったうる星やつらもみてみたいと思うこともある。一応言っておくが私はラムや因幡のことも好きだ。あくまでifの話として…それくらいには二人のことを気に入っている。