3/23
朝の5時。はやくに目が覚めた。まだ静かな早朝に見るカーテン越しの朝焼けがすきだ。こういうときに聴く音楽には何度もこころを救われてきた。
もしかしたら雪が降るかもしれないという予報に胸が弾んでいたけれど、みぞれほどで終わってしまったみたいですこし残念。正午過ぎには両親がまた焼き菓子を持って会いにきてくれた。近所においしいお菓子屋さんがあるしあわせを噛みしめる。母は最近クサガメのかわいい動画に夢中になっているのだそうだ。
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3/24
測定の日で、結果は横ばい。あれから落ちていないことにほっとしつつも、同時にこころのもやがあったことも認める必要がある。それを自覚していたからか、朝ごはんのあとにきのう家族が持ってきてくれたフィナンシェを食べようかずっと悩んで、結局はこわさに負けて諦めてしまった。抱えている病気がそう思わせているとわかってはいても、融通の効かない考え方にもどかしさが募る。
きょうは恋人が会いにきてくれた。自室での面会が解放されたから、デイルームのときよりもお互いに落ち着いて話すことができてうれしい。
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3/25
相変わらずはやくに目が覚める。でもこの時間帯のしずかな病棟の雰囲気には、どこか居心地のよさを感じられるのですきだったりする。T先生が来て、きょうの夜からビタミン剤と入眠前に処方されている薬が一錠追加(食欲を起こさせるために)になるとのことだった。それから、いまは1日に2回の補食も3回に増やす必要があるのだそう。正直な気持ちとしてあまり前向きになれない自分のこころのなかに、病気の声のおおきさを改めて思い知る。ああ、わたしはいまこういう気持ちでいるんだなと、せめて受け入れられるようにしていきたい。