2023年、私にとっては『離別』の年だった。たくさんの人と、所属に別れを告げた。
けれども悪い年だったかと聞かれれば、答えはNoである。人間は目指すものに向かってただまっすぐ歩みを進めるだけであり、それに付随する別れと悲しみは、あくまで私個人の感情でしかなく咎める権利など誰にもない。何よりも、うやむやにし続けた説明と責任の所在を明らかにする動きに救われた心さえあった。
1月から12月までうっすらと胃が痛む感覚に襲われながらも2023年を良い年だったと思えるのは2023年に出会った数多の音楽と、私が愛する人たちの活躍のおかげだ。理不尽な色眼鏡越しの意見をぶつけられながらも、自分たちの音楽を信じて、作り上げた人たちがいたからだ。2020年から続いた新型コロナ関連の規制も徐々に緩和され、世の中には様々な『音』が戻ってきた。賑やかを通り越して騒がしいまである世界で、鋭く存在を轟かせる唯一無二の『音』たちを拾い上げることができたのを誇りに思う。
どうか2024年は、私の大好きな『音』が理不尽に遮られるようなことがありませんように。正当に評価されますように。人を傷付け、貶めるために使われることなく、正しい使い方をされますように。世界が未来を彩る『音』で溢れますように。私はずっと祈っています。