タイトルは笹川真生の「サニーサイドへようこそ」より。最初の方を聴いているとわたしはなんとなく不穏な報道番組を連想するんですが、サビに入った瞬間にいきなりぱっと目の前がひらけてそんなイメージなんて吹っ飛んでしまうのがおもしろい。それでいて歌詞は、希望の一歩手前、手を伸ばしてて触れそうだけど足元にはぽっかり絶望の穴があいている、みたいな感じ。陽の側へようこそと歓迎されているのに、あと一歩踏み出すそこには深く暗い影が落ちている。「ひかりのゆくさき」ってちょうど絶妙な歌詞だ。MVも綺麗で怖い夢をいくつも見続けているみたいで素敵。笹川真生さんはぼろぼろの身体を放り出してたゆたいたくなる曲を作るのがとてもうまいと思う。
怖い夢に「放してもらえない」夜ってたまにある。このあいだ見た夢、人間の解体をする契約をむりやり結ばされる夢からはじまって、その解体をおこなう村の人たちが貼りついたような笑みでわたしを追ってくる夢、その人たちから逃げ出して入った屋敷が呪われた人形たちのただよう洋館で、怯えながら戦ったあと、ふとテレビを見るとわたしを含めた数十名が死体損壊罪で指名手配されていた。グロテスクからメンタルまで取り揃えたホラーだった。ただそのあと、警察に電話して「契約を破棄するには100万円払えって言われて……」と話したら「実際にそういう証言も多く集まっていまして、そういう契約でしたら無効に……」ってふんわりクーリングオフ制度ぽいなにかを紹介されて安心するエンディングだった。死体損壊罪でもクーリングオフ制度まにあうの?
今日はなんかどんよりしていた。たぶん、行きたかったけどチケット取れなかったライブが今日で、意識せざるを得なかったからだと思います。どんより。行きたいのにチケット取れなくて行けないって一番しょんぼりする。かつて、行きたかったトークライブのチケットが取れなくて、それでも悪あがきみたいに現地まで行って、しょんぼりしながら生配信を見たのを思い出す。でもそれは超楽しかったです!自分ひとりで噛み締めることができたから!まあ今回のライブは配信とか、ないので……いいなあって思って、おわりです……
なんか羨んでたら夜行バスに乗ってゆられてるときの感覚が蘇ってきた。割とすきなんですよね。未だにiPod nanoを愛用しているんですが、イヤホンを刺したそれを手のひらでつつんで目を閉じ、バスの振動に身を任せる感じ。窮屈な暗闇にもぐって閉じこもる感じ。
『マイ・ブロークン・マリコ』という漫画(と映画)にも夜行バスの描写が出てくる。あのシーンを見るたび涙が滲んでしまう。わたしはマリコでもありシイノでもあるから。きわめてナイーヴな話なのでうまく話せないのですが……
映画といえば、思い出した。『返校』というゲームが実写映画化するにあたって、シナリオのある部分が大胆に変更されていたのですが、わたしはその変更に人間への深く優しい祈りと愛を感じて、初めて観たときには声も抑えられずに泣きじゃくった。目も顔もぜんぶ溶けちゃいそうだった。原作のその部分でも涙を流したけれど、それはどうしようもない苦しさと悲しさによるものだった。だけど、あの映画は……原作と、それの元となったそもそもの歴史への、心からの祈りと愛だった。もしもあなたとこのゲームあるいは映画が巡り会えたのであれば、ぜひ、と思います。でもたぶん区分としてはホラーに分類されるので、大丈夫ならぜひ、の方がいいのかな。
なんか今日はしっとりした日記になったような気がする。どんよりしていた気持ちは今は大丈夫です。ここに書き出したからかも!日記ってこういう効果もあったんだな、今夜は今まで三日坊主にしてきた日記帳たちに頭を下げることにします。また今度。
あ!書き忘れていた。もしもあなたにとって今日や明日がなにか特別なことをする日だとしたら、わたしはあなたの努力や祈り、願いが報われるように祈っています。そしてもしも今日や明日が特別な日でなくとも、特別な日にできなかったと悔やむ日になったとしても、わたしは、続いていくあなたの日々がよいものになればいいなといつでも願っています。生きていきましょうね。これはかつてのわたしにも向けて書きました。わたしにもあなたにも届くといいな。また今度。