読んだ.
地球の土はざっくり12分類されるらしく,それぞれどんな土なのか..というところに始まり,地政学や農学を絡めつつ農業の将来についてざっくり知れる本.
興味が無いとめちゃ面白い本ではないかもしれないが,普段は気にも留めない土や農業を知るきっかけを持てる良い本だと感じた.それぞれの土で栽培される作物や具体的な筆者のエピソードが出てくるのも,すっと入ってきやすいポイントでGood.
同じ作物を育て続けると連作障害が起こる理由(土壌中の栄養分の偏りや微生物のバランスの変化)から水田の利点(鉄さび粘土が水に溶け,病原菌の一人勝ちを防ぐ)に繋がる部分はとても興味深かった.
ウクライナ-ロシア間の戦争の影響で,ウクライナは穀倉地帯だから国際的な食料価格が上昇し,アフリカ辺りの食糧不足が大変なことになっている,みたいな話だけうっすらと知っていたけど,あの辺りがなぜ穀倉地帯なのか,みたいな話も出てきて面白かった.
総評
誰が読んでも面白い本ではないけれど,普段何気なく食べている食料品を通して世界を見る視点を持つきっかけになった.専門的な内容でも分かり易く表現されていて,読みやすかったのも良い.
評価:85点
(~60:読まなくても良かった,~70:程々,~80:良い感じ,80~:お勧め)