Tokyo Grand Trail 50Kに出た

yhey0711
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公開:2024/5/29

東京の奥多摩エリアで開催された、Tokyo Grand Trailの50Kの部門に出てきました。

準備

昨年の11月末に膝を痛めたのと子が産まれたのとで、2月まではトレミで1回1時間を限度にしたトレーニングを積んでいた。この時期は登りは全然走れるけれど下り坂は走ると痛みが出そうということで、よく参加させてもらっている練習会でも登り坂はダッシュするが下り坂は歩きみたいな参加になっていた。

3月からは特に制限もせずに練習を積んでいたが、子の世話もあるので長くても休日に1日3時間くらい地元のトレイルを走るのが限度という感じだった。

レース2週間前から妻と子が体調不良で満足に練習ができず、レース直前は妻と子の寝室を分ける必要があり子の夜の世話をし続けた結果、前日に身体に限界が来て自分も最大で37.5℃の熱が出てしまい節々が痛くて家の階段を登るのもよいしょよいしょみたいな感じでこれは…という状況であった。なので最後の調整自体は大失敗で、なんとか熱だけは下がったくらいの感じだった。

Strava上のフィットネスはこんな感じで、3月から少しずつ上げてきたものが最後の2週間で元通りという感じだった。

レース本番

コース

コースはスタートしてすぐにある本仁田山という標高1224mの山と、ハセツネの後半パート(日の出山から武蔵五日市に向かうルート + 御前山、大ダワ、大岳山のハセツネとは逆ルート)を組み合わせた感じで一気に登って一気に下るのが全部で3回あるようなコースレイアウトになっている。

自分はハセツネの御前山の下りがとにかく苦手なのでこれが逆のルートだったら結構楽しめるかもなぁと思っていたのだが、実際には思う通りにはいかなかった。

スタート ~ CP1.大根ノ山ノ神 ~ B1.丹三郎

スタートしてすぐにシングルトラックのため1キロほど追い越し禁止となっている。最初から飛ばすことのないように、心拍を150以上にはしないよう調整しながら本仁田山も登る。後ろに人が着くとちょっと頑張ってしまったが、前に行ってもらって高い心拍が続かないように調整していた。最初の800mアップはそこまでダメージもなく登りきり、良い感じのトレイルを少し下るとCp1.大根ノ山ノ神に到着。ここは関門+水の提供だけなのでスルーして進む。

CP1からはそこそこな斜度のロードの下りが5キロ近く続く。下っている最中に少し足の違和感を感じ、数名に抜かれたが追わずにマイペースで下ることを決めてそこまでペースは上げずに進む。下りの最後にある奥多摩鳩ノ巣駐車場でトイレに行こうとしたら止まっていた車の中でカップルがいちゃついていて、見てしまってすまん…という気持ちになる。相手はそれどころじゃないのでおそらく目はあっていないはずだが、急に100人以上人が通ったらびっくりするだろうなと思った。

そこからB1.丹三郎まではトレイルを通ったりしながらもロードがメインで淡々と進む。エイドに着くと、自分が去年まで所属していたランボーズのメンバーがボラをやっていて、温かいそうめんを食べながらちょっと話して元気をもらえた。

B1.丹三郎 ~ B2.十里木

軍畑駅の手前あたりからトレイルヘッドに向かうルートに入るが、それまでは数キロロードのダラっとしたルート。何も考えずに走っていると前からロストした人が引き返してきて、自分はギリギリロストせずに済んだ。Uターンするようなルートだったが気が付かずにそのまま走ってしまったみたいだった。

ここから700m近い登りで日の出山まで登り、そこからはハセツネの最後の下りのルートを走る感じになる。ハセツネであれば残り僅かなので頑張れば終わりだが、このレースではまだ半分くらいなのでそこまで頑張らずに進んでいく。下りに入ったところで去年までチームで一緒だった方とお会いしパックでしばらく進む。数年前に一緒にハセツネの試走に行ったときのことを思い出してエモい気持ちになった。心拍やペース的には全然付いていける感じだったのだが、この辺りから下りで左足が痛み始めて少しずつ遅れていき、何も言えずにお別れ。下りはペースを落とし、フラットとちょっとした登りは走る形に切り替えて進んだが、B2.十里木に着く頃にはもう下りでは走ることができなくなっていた。お腹も痛くなっていたのでエイドで長居して少し落ち着くのを待って出発。

B2.十里木 ~ B3.都民の森 ~ Fin.奥多摩運動公園

ここからが50kの部の核心部。馬頭刈山経由で大岳山まで登り、大ダワを経由して御前山を登り、都民の森まで下るというハセツネで一番キツいパートの逆走となる。

十里木のエイドを出発するときにはここからゴールまでは全歩きでいくことになることは覚悟していたが、足の痛みが強くなってきたため4キロほど進んだところで残り2000mも下ることが本当にできるのか…と心が折れかける。エイドに引き返してリタイアするか、残り20キロ超進むかを座り込んで悩んだ。それこそ、エスケープルートを通ればそこまで下りがないんじゃないかとかいろいろと考えたが、家族に無理を言って出ているのに諦めても仕方がないなということでもう一度腹を括り直し再出発。

ここからはほぼ走っていないため体温を上げられていないのと、雨・風も強くなってきたため常時レインを着用して淡々と進む。ひたすら歩き通しただけなのであまり印象的なこともない。ヘバッて座っていたときに、100マイルの分門に出ていたいいのわたるさんに抜かれて「残りちょっとなんで頑張りましょう」と言われ、声掛けてくれて優しい人やなぁと思った。

B3.都民の森からゴールまでは走り通せるコースにも関わらず自分は全歩きなのでかなりの人に抜かれたが、もはやなんとも思わず「ナイスランです!」と声掛けだけして進んでいった。B3からゴールまでの区間は下手すると全参加者の中で一番遅かったのではないだろうか(調べてはいないけれど)。

Ibukiの結果は下記の通り。

まとめ

ナビゲーション

ということで、B2からゴールまでひたすら歩き通したのだけれど実は想像していたよりは順位が落ちなかった。それまでに時間差が多少あったとかほぼ登りの区間だからとか理由はあると思うが、それ以上の理由としてルートのナビゲーションをちゃんとやったからというのがあるように思う。

コース中マーキングがほとんどないレースなので自分で判断していく必要があるのだが想像以上に時計でのナビゲーションを利用している人が少なく、スマホ片手に走っていたりそもそもスマホすら見ていなかったりという人が多かった。そのため、歩き通している区間で(こちらは抜いていないのに)同じ人に複数回抜かれることが多々あり、おそらくロストして戻ってきた分で自分がノロノロと進んでいる分とで同じくらいになっていたのだと思う。

自分も多少は曲がる箇所に気が付かず少し進んでしまったり、分岐で迷ったりはしたが合計しても5分程度のロスで済んだ。特段難しいルートを通っている訳ではないが、だからとは言ってさすがに何も見ないで進んで迷わずいけるほど簡単なルートでもない。もし来年参加される方は時計にgpxデータを入れるのは必須だと思ったほうが良い。

反省

3月からは時間の関係で住んでいる鎌倉エリアだけで練習をすると決めていた。ロングの練習だと天園の走れるトレイルで25〜30キロ程度、坂練は長くても1キロ程度の上りと、1回の上り下りが長くても5分以内で終わるような練習だけになっていた。そのため、数キロに渡って下り続けるような場面であっという間に足にダメージが残ってしまった。そもそも坂を走って下れるようになってから2ヶ月ちょっとで対して脚もできていないのに、そのことを意識せずに上りの練習ばかり意識していたことが脚を痛める原因になったのではと思う。ヤビツ峠や足柄峠の峠走を入れていったほうがいいのだろうけど、家のことを考えるとなかなか難しく今後の検討ポイントになりそう。

もう一つの懸念点は重たいザックを背負って走るという点だったが、こっちはギリギリなんとかなった感があった。あまりに何も背負わず走りすぎていたので、対策として3キロのウエイトベストを購入し、週に1度程度ジョグか階段練のときに使っていた。最初のほうは脚がバキバキになっていたが少しずつ慣れてきたかなーくらいのタイミングでレースとなった。こちらは継続していって脚を鍛えていきたいと思う。

レースについて

このレースは秋のハセツネ出てみたいが、エイドがないとかで出るのを躊躇している人にはまずはこれ出てみたら?とオススメできる。エイドも途中にあって十分な食事や水を補充できるのでハセツネのときのような重量にならないし、参加人数も少なく渋滞に巻き込まれることもないので最初にダッシュする必要もない。逆にいうと周りに人がいなさすぎる時間帯も多いのだけれど、自分はそれがとても快適に感じた。

60キロで4000d+というコースは終わってみたら決して楽ではない。ただ、制限時間も20時間と長いので諦めさえしなければ完走はできる。2024年も完走率は速報値で92%となっていた。なのでどんな人が参加しても満足しやすい設計になっているように思った。

また、スタート時間が16時スタートというのも個人的には参加しやすかった。ゴールしたときには電車が動いており、自宅には10時過ぎには到着し日曜日は(昼寝とかもしたけれど)家にいることができた。ゴール後に仮眠するように寝袋も持っていったが、ゴールタイムが遅く今回は使う場面がなかった。屋根付きのスペースがあるので寝ることもできる。

最後に帰りに新宿で食べたえっちゃんラーメン。早朝にも関わらず美味かった。