2002年、高校生の私が書いた夢日記が出てきたので、供養にそのまま掲載します。夢十夜にかぶれていたんですけど、この夢は(①も)実際に自分で見た夢です。ひえ~……
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こんな夢を見た。自分は祖母の家に居た。家の裏は切立った山肌がある。山頂にはお稲荷さんが奉ってある、小さな山だ。祖母は町民会の集まりで留守である。私は縁側に腰を掛けて庭の椿を見ていた。垣根越しの小道を馬に乗ったお侍さんが通った。私はお侍さんに声を掛ける。ねぇ、馬に乗せて貰えませんか。あの山のてっぺんに行きたいんです。お侍さんは おう。と頷いて私を馬に乗せてくれた。馬はまるで平坦の道を歩くのと同じように山頂へ続く石段を登る。かぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽお侍さんは真っ直ぐ前を見ている。私もそれに倣って、ぴん と前を睨んだ。お稲荷さんの赤い鳥居が近づいてくる、近づいてくる。かぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽかぽ私たちはそれをくぐって、くぐってそのままお社を通り過ぎた。
私は馬から身を乗り出して振り返る。お社はぐんぐん、ぐんぐん遠ざかる。違う、違う、違う。私はこの先に行きたかったんじゃあない。お侍さんは真っ直ぐ前を見ている。馬も真っ直ぐ前を見ている。違う、お社に戻って。止まって。それでもお侍さんと馬は止まらない。嫌だ、嫌だ、嫌だ。止まってくれ、この先には行きたくない。私が行きたかったのは違う、違う、違う。私はお侍さんの胸倉をどんどん叩く。どんどんどんどんと叩く。お侍さんが馬を止めて、やっと私の顔を見た。
「堪忍しろ。目の前が人魚の祠だ」