粉雪が舞う午前、荷物の梱包をしていると、20年ほど前はバイク便で OS の更新を人力でお届けしていたことを思い出した。
発売前の携帯電話にプリインストールされるアプリの開発において、それらをディレクションする現場に配属されていた。1つの携帯電話に多い時だと6社くらいアプリを開発してくれる会社さんがいて、バイク便の伝票を6枚書いて、更新した携帯電話を郵送していた。新しい携帯電話が届き次第、一つ前の OS バージョンの携帯電話は送り返してもらい、次の OS の更新でまた送るというサイクルで回していた。
この更新作業は計画はあるものの、予定通り上がってくるとも限らず、慌ただしく更新していたことが思い出される。機種にもよるけど、携帯電話を特定の手順で操作して OS 更新モードに切り替え SD カード経由で、更新作業を一台一台対応する必要があった。
プリインストールアプリなので、携帯電話の出荷スケジュールに合わせる必要があって、開発期間も多くは取れなかったと思う。
急いで開発会社にお届けしたい時は、更新作業と郵送作業を並行して対応していたと思う。急ぎでと配達関係の人によく依頼もしていて、顔と名前も覚えてもらい、良くしてもらった記憶が残っている。会社の中を文字通り走り回っていた。
誤送もあった。開発会社から OS のバージョンが違うと問い合わせをもらったこともあった。手元に在庫があれば、それを送ってリカバリもできるが、開発機も潤沢にあるわけではなく、カツカツだったはずなので、待ってもらうことしかできなかったと思う。
現代の OS の更新はオンラインで人を介さずにできている
オンラインにおいても OS の更新に時間がかかったり、更新に失敗することもある。中に人がいたら、それは昔の自分かもしれない。