布団から出る前、寝ぼけ眼でSNSを流し見していると、ようやく花粉のピークが過ぎるといううれしいニュースを目にした。と同時に、今日こそは見て見ぬふりをしていた空気清浄機のお手入れをしようと決意して起き上がった。
24時間365日フル稼働するわが家の空気清浄機は、今年で7年目を迎える。普段はリビングでせっせと空気の浄化をしてくれているが、今年から花粉シーズンを迎える前にわたしの部屋に移動させて独占した。なぜなら昨年、花粉症状があまりにもひどすぎて、外出していないのに風邪をこじらせ副鼻腔炎になってしまったからだ。
体調を崩すサインは毎度のことのどからくる。そして花粉の症状も例に漏れずのどにくる。とにかくのどがイガイガして、耳の奥からのどがかゆい。鼻水が止まらない、目がまっ赤になるほどかゆいというお決まりの症状ではなく、とことんのどにだけ強烈なアタックを決める。
昨年で花粉の症状にはうんざりしたので、今年は万全な体制で挑もう! と決意し、徹底的な花粉除去を計画する。日中は大きな窓を開けず、換気のための小窓には空気清浄機に使う、ぶ厚いガーゼのようなフィルターを張る。空気清浄機は花粉モードでフル稼働。もちろん、症状が表れる前から薬を飲む初期療法も忘れない。念には念をと、養命酒まで飲みはじめた。しかしあっけなく体調を崩してのどの痛みと高熱が続いた。熱に浮かされながら、ウイルスへの抵抗力が弱い体を恨んだ。
空気清浄機がいつもと違う様子をみせたのは2週間ほど前。オレンジ色のお手入れお知らせランプが点灯した。「まだ花粉飛んでるから掃除しても意味ない」と理由をつけて、ずるずる今日までやってきた。花粉がそろそろ終わると知った今、まだほおっておくのかと言わんばかりに主張するオレンジランプや、うっすらほこりをかぶった姿をもう無視できない。
空気清浄機のお手入れには意外と時間がかかる。内部の加湿フィルターを洗浄剤に1時間、クエン酸に2時間浸け置きし、その間細かいパーツを手洗いして乾かしておく。背面のフィルターにたまったホコリや花粉を掃除機で吸い取り、使い捨てプレフィルターを新しいものと交換する。
空気清浄機をきれいにする勢いにまかせて、ニトリの加湿器もお手入れした。こびりついたカルキ汚れがいくらかマシになったのをじっと見て、今年もお世話になったとしみじみと思う。冬になるまで休んでいてね。
2台の家電をピカピカにし終えると、春の終わりがみえたような気がした。つい先日に満開の桜を見たばかりなのに。そして例年通り、あっという間に夏がやってくるだろう。春から夏にかけるグラデーションはあるようでないんだと、毎年思い知らされる。