印刷所で刷ってもらった並製本(無線綴じくるみ製本)の同人誌をハードカバーをつけて上製本にしてみたよ!の覚書です。⚠こちらに出てくる同人誌は二次創作短歌の本です。ジャンルやカプ名など出てきます
同人誌をハードカバーにしてみよう!
前の記事にまとめていますがジャンル毎の二次創作短歌のまとめ本を作りました。1ジャンル1冊と言うことでなるべく誤字や失敗を少なくしたいなぁと毎回試し刷りを1冊作ってもらいそれから本刷りしています。誤字等の確認用の試し刷りなので本刷り以降不要なのですが印刷所さんに綺麗に刷ってもらっていてそのまま処分するのも……と思いせっかくだからと今回ハードカバーに拵え直してみました。学生時代の授業で自作のイラスト(手書きや印刷物)などを上製本にした事が何度かあったので半手製本はおそらく可能だろうとチャレンジしています。
用意した材料・参考にしたもの
用意した材料
製本クロス☆
寒冷紗☆
スピン☆
ボール紙☆
見返し用紙
木工用ボンド
工作糊
刷毛
手持ちの材料
スピン◯
花布◯
カッター、はさみ、定規
カップ、スプーン(糊を混ぜるよう)
目玉クリップ
竹串
両面テープ
スティックのり
ホットスタンプペン(シート箔)
重し用の本類
その他…カッターマットや下敷きなど
参考にした書籍
美篶堂とつくるはじめての手製本 https://share.google/XzC3T8dzBIBxhyYI5
美篶堂とはじめる 本の修理と仕立て直し https://share.google/a8eYLxJDbrre3TzkH
☆…図書館用品キハラのオンラインショップにて購入https://store.shopping.yahoo.co.jp/bookbuddy/
◯…学生時代に買ったもの20年くらい前に東急ハンズにて購入(物持ちが良すぎる…)
その他はホームセンターや100均で手に入る物を使っています
竹ひごじゃなくて竹串、ヘラのかわりにプラスチックスプーンやフォーク、糊用の入れ物はプリンのカップと料理でもするのか?というラインナップです。


作っていこう!
同人誌から表紙を剥ぐ…ハードカバーにするにあたり見返しをつけるため表紙を取ります。一番緊張しました。仕立て直しのためとは言え本を一度分解するのは勇気がいります。はがしてみるとしっかり糊付けされていて印刷所さん綺麗に作ってくださっているなぁと実感しました。表紙の一部はまた使うので取っておきます。
見返し、寒冷紗をつける…表紙との接着のための見返し・寒冷紗をつけました。今回はなるべく元の本の要素も使うことを決めていたので元の本に巻いていた帯カバーを口絵的に本文と見返しの間に差し込んだりしました。
花布、スピンをつける…イメージに合わせたもの選びました。表紙と合わせたり、スピンを2本にしたり出来るの楽しいです。花布があると一気に「ハードカバー本!」って感じになりますね。
本体の方の作業は以上です。接着に関しては木工用ボンドと工作糊を半々で混ぜて使っています。専用の製本用糊もありますが全体の予算&以前習ったのがこのやり方だったのでこちらで。



ボール紙を切り出す…本のサイズに合わせボール紙を用意します。ハードカバーのボール紙は同人誌のサイズのそのままでは使えないので本に書かれていたサイズを参考にしながら用意します。
ボール紙の加工…表紙部分に帯カバーなどから用意した用紙を題箋貼りしたいなぁと思っていたので用紙に合わせカッターで切れ込みを入れボール紙の一部を剥がし段差をつけました。ボール紙自体が二枚重ねになっているものなので約半分くらい剥がします。

製本クロスを切り出す…本を参考にサイズを出していきます。ボール紙を包むように一回り大きくのりしろを作り裏面に薄くボール紙の位置を線を引いておきます。今回製本クロスは自作せず裏打ちしてあるものを購入しています。以前作ったときは家庭用プリンタや印刷所に刷ってもらったものを印刷用紙そのまま表紙にしたこともあるのでそれも楽しそうです。
クロスとボール紙を接着する…先ほど引いたガイドに合わせ貼っていきます。糊は出来るだけムラなく、のりしろ部分も折り返し接着します。角の部分を綺麗折り返して処理するのが難しかったです。ボール紙に作った段差を目立つように押し込んで仕上げます。
表紙はフラット、題箋貼りをしたかったのでボール紙を剥がして段差をつけたのですがこれが最適なやり方なのかは不明。適度に上手くいったので良いか〜となりました。ボール紙・クロスのサイズについては参考の本にとても助けられました。

本体と表紙を接着する…向きや位置をみながら表紙と見返しを接着していきます。シワにならないように、正確スピーディーに張らないと!と、とても緊張しました。

溝付と乾燥…表紙と背の間の溝を付けます。溝部分に竹串を置いて上から重しをしておきます。一晩置くとしっかりと表紙も溝もついていました。

題箋貼り、箔…表紙に題箋貼り用に用意したものを貼っていきます。元々の本の表紙や帯カバーから切り出したものです。糊付けし、しっかりと押さえます。イラストを特別にしたいなぁと思い糊や両面テープで可愛く簡単に箔押し風にできるウチハクさん(https://share.google/JuDeAGtoKiKhjr97t )の動画を見ていたら「あれ?家にあるホットスタンプペン(乾電池を使った熱ペンで箔シートから転写するというもの。こちらもだいぶ前に買ったものです)の箔も同じようにできるのでは??」となり試してみるといい感じに出来ました!イラストにスティックのりや両面テープで接着して簡易セルフ箔をつけました。背表紙にもジャンル毎のカラーリングで箔を貼り込みました。

ハードカバー同人誌の完成です!


元々の本文は印刷所さんが綺麗に刷って製本してくださったものなので半自作の割には完成度がとても良いのでは!とうれしくなっています。材料を用意する、表紙を作る手間はあるのですが出来上がると達成感がすごいですね。
作業内で一度表紙を付けたあとに「だめだ!失敗した!やっぱりデザイン変えたい!」となりました。恐る恐る見返しから表紙を取り外し、本文からも切り取り新たに見返し、表紙をつけましたがなんとか綺麗に仕上がりました。多少の失敗も大丈夫そうです。

失敗して外したカバーの残骸。一番チリ部分の出が綺麗に出来たので悔しいところです。付けなくてもいいかな〜と若干思っていた寒冷紗。いざ分解するとなると寒冷紗の部分は頑丈になっていたので付けてよかったです。
今回はメインの材料(製本クロスなど)はしっかりした物を使いましたがその他はホームセンターや100均で買える身近なもの、本に載っている製本道具を一揃えするのは難しいので代用できるものを利用しています。大きな画材屋・用紙の取り扱いのあるお店が近くにあったらもっと色々出来るだろうな。
\\思った以上に楽しい//
ハードカバーは物質的強さがありますね。頑丈です!ハードカバー良いなぁ〜と思いつつ小部数作るときに印刷所さんにハードカバーをお願いすると部数や予算で難しかったりしますが自分用に記念製本したい!花布やスピンを好きなようにしたい!という時にこの半手製本は良いのではと思いました。
今回4冊ハードカバーにするために新たに買った材料は7000円程ですごく安く出来る!というわけでもないですが、だいぶ製本クロスなどが余っているので(あと15冊分は作れそう!)しばらく同人誌など作ってはハードカバー化する遊びが出来そうです。ブックケースも作れそうなのでやってみたいと思ってます。
今回は試し刷りの本をどうにかしたいから始まっていますが、たとえば表紙や見返しも一から作ったり、印刷所さんに本を頼む時に表紙をなるべく薄くして表紙そのものをカラー口絵や遊び紙的にして表紙を剥がすことなくそのまま見返しをつけて製本することも出来るんじゃないかなとも思いました。今回ハードカバーにした本の元の背表紙は1〜1.5cmくらいです。5mm程度背表紙があれば角背の本に出来ると思います。
本文も自作する!となると綺麗に裁断したりという所でハードルがかなり高くなりますが、ハードカバー表紙のみだったらそこまで高くなくチャレンジできると思います。楽しかったのでまた作ろうかなと思います。
おまけのそれぞれの本の装丁仕様
※本文、帯カバーの用紙仕様は以前の記事にあります


表紙クロス…グリーン/見返し…薄水/花布…レモンイエロー/スピン…黄/箔…青、金


表紙クロス…コーラルピンク/見返し…白/花布…深緑/スピン…赤、紺/箔…赤、青


表紙クロス…赤/見返し…薄桃/花布…淡桃/スピン…赤/箔…金


表紙クロス…黒/見返し…銀/花布…灰/スピン…銀/箔…銀
写真の一部はXのアカウントと同じものを載せています