二次創作短歌同人誌作りの覚書④短歌集の編み方

山と森と街
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公開:2025/6/7

同人誌活動についての覚書をこちらにまとめていきます。主に二次創作短歌の同人誌制作についてです。


今回は覚書①③の装丁まわりから変わり、二次創作短歌の歌をどう1冊に編んでいくかについてのメモです。今回メモしておこう!となったのはまとめ本を作る時に毎回「短歌 まとめ方 歌集」とかで検索をしているからです。また、次に作る本から今までのやり方とはちがう編集の仕方になりそうなのでそちらの考えをまとめるためにも読める形にしたいなと思いました。

短歌 まとめ方 歌集 でポスト検索して1年前の自分が出てきて「きみってやつは!」とドラちゃんが出てきそうになっちゃった……きみってやつは!!2024年のXのポスト

私の場合の原作を読んで受け出たパッションから詠む→ずっと詠む(4年くらい)→まとめ本を作るという長丁場のまとめ方です。また、あくまで短歌での二次創作の同人誌です。原作という大っきな世界を共有していることが前提になります。はじめての本からずっと手探りであまり参考にならないところもあると思いますが「こんなまとめ方もあるのか〜」という感じで面白がっていただけたらうれしいです。

二次創作短歌の本どうまとめる??

漫画でも小説でも短歌でも二次創作同人誌を作るとなると書(描)き下ろし又はWeb等で発表しているものの再録ですね。私はずっと詠んできたものをジャンル毎にまとめ1冊作ると言う形をとっています。(その時々の思いで色々と作りたい!とも思うのですがこのペースが今は自分的に合っているのかなと思います)ただ、テーマや軸を決めて挑むところは新作も再録も同じかなと想像しています。

◇テーマ・軸について

私の場合は

  1. なるべくたくさん詠んだ歌を載せること

  2. 読後感の良くなるように、エンドマークがわかるようにすること

  3. そのジャンルやカップリングに対して自分の中のサビになるような部分をひとつ決めること

この辺りを総合して決めていきます。一番の軸は3になります。

1のたくさん載せるについて。たくさんの歌を載せるということはひとつの短歌として読んだ時に作品・キャラっぽさが少なめだったり一次短歌として読めるものも含まれていくのですが、それも含めて私の中の原作に対する感情をアーカイブ的にまとめておきたいので「なるべくたくさん」載せています。歌数の割合としては今まで詠んで発表したものから半分くらいになっています。1冊平均300首くらいです。

また、二次創作短歌1首をひとつの歌(作品)と捉える時に→原作を知っている人も知らない人も読める・楽しい/原作を知ってると読める/楽しい/とにかく私に刺さるなど歌の濃さにグラデーションがあると感じます。その濃さの幅が均一よりも混ざっていた方が全体で読んだときに読みやすいかなぁ?と思っています。これは私の作る本は300首くらい載せているので自分のアーカイブとしては問題ないのですが「もしかしたら誰かが読んでくれるかも」を考えたときにすべてがとにかく私に刺さる歌だけだと歌数が多いので少し読むときに負担がかかるかも??と思いバランスを見ながら選んでいます。ただ刺さる!の純度が高いほど個人的に好きな歌なのはあるので……。まとめ本という形でなければ刺さる100%でも挑んでみたいです。ぜったいに楽しい本です。

2の読後感については漫画でも小説でも読後感と言うのはとても大事だよな〜と思っていて、オチがつく・大団円である・読んで良かった〜切ない/悲しいけどよい…(本を胸に当てつつ)みたいなのいいですよね。1冊読んだ時にどういった読後感が浮かんだらうれしいかな?を考えます。私は「この先が続くと良いなぁ〜」「じんわりハッピー」「完全無欠のハッピーじゃなくても灯る何かがある」辺りが好きなのでそういう感じが多いです。(後ほど書きます章ごとの流れの『季節』の話もここに絡んできます)

3のジャンル、カップリングの自分の中のサビを決めるは本全体で一番の軸になります。この作品・キャラのここが一番好きだ!大切だ!が決まると本全体の流れから装丁まわりまでするっと決まる感じがします。ここが定まっていないと歌の章立ても表紙の制作も印刷所でどの用紙を選ぶかなどが微妙に進みません。(印刷所の予約や予算もあるのでぼんやりと装丁などは考えていますがいつも軸を決める前に考えた装丁のラフから変更になります)サビについては2の読後感のイメージと合わせつつ個人的に作品・キャラを強く呼び起こさせる歌を数首選んで決めます。特にこれ!という歌があればそちらから本のタイトルを決めたり章や本の最後の短歌に置いたりすることもあります。

木のイラスト。花や林檎、鳥が描かれている。文字で「テーマ軸は木のイメージ。しっかりしていればたくさんの花も実も葉っぱも鳥も大丈夫!」と書かれている

ここまで来ると第一関門突破です。テーマ(軸)が決まったので実際に歌を選ぶ・並べて章立てするに入ります。

◇歌を分ける・選ぶ

歌の選別についてはまず、すべての歌を1行縦書きで印刷し短冊状に切ります。そしてざっくりとぜったいに入れたい!/入れたいかも!/迷い!みたいに分けて大きめの封筒に入れます。Xなどに投稿する時は1首〜5首単位ですが基本的にすべて1首の短冊にして編みなおしています。

構成はぜったいに入れたい!/入れたいかも!を中心に選ぶのですが、迷い!の歌もすべてが決まるまで取っておきます。軸の部分でお話したキャラ要素の少なめのものが連作を組み立てる中で必要になる気がしていて、実際にいつもこの迷い!の封筒から再度選んできています。また逆にすごく気に入っている・入れたい歌でも全体の流れから最終的に選ばないこともあります。

短冊にして封筒に入れてある短歌の写真

◇章立て、連作にまとめる

まずオールキャラ&カップリングの本かカップリング本かを決めます。(これは私がまとめ本はジャンル毎1冊と決めたのでこうなっています。あまりないまとめ方かもしれません)オールキャラ&カップリングの場合は全体の雰囲気は同一でそれぞれにどういった構成にするか決めていきます。私の場合はオールキャラに関しては①キャラクター別にまとめる②原作(漫画やアニメ)の流れに沿って歌を並べるなど、カップリングに関しては原作の流れに沿いながらカップリングの妄想物語も下に引くという感じです。

また上のことを意識しつつ『季節』の力を借りて流れを作っていきます。季節=日本の四季の部分です。ちょうど今まで二次創作短歌のまとめ本を作ったジャンルが現代日本寄りの作品ばかりなのでこの"四季の力を借りる"を困った時の神頼み的に使っています。私は日本の春、システムとして変わっていく様(新年度、新生活、新学期的な)や自然界の暴力的なまでの芽吹きの力強さや明るさ、再生、置いてきぼりになる感じに「敵わない」となることが多く「もう春ってものはしょうがないんだ」としんみりと感じたり。でもやっぱり冬が終わり少しずつ軽い空気になっていくところ、新しい予感でいっぱいになるところも合わせて四季の中で春が一番好きです。なので本の最後はいつも好きな季節の春にしています。(今まで出したまとめ本はすべて春です)

全体のストーリー+四季それぞれの雰囲気が合わさることで時間経過の流れや感情の色みたいなものが強くなる気がします。そして300首をひとつの流れにしていき、その中で歌数を揃えられるようであれば各10首連作などにしたり、エピソードに合わせて章を区切ったり。キャラクター毎にまとめる場合もその中で物語+季節を意識しつつまとめていきます。また「読後感をいい感じにする」は章・連作単位でもできたらいいなと思っていて連作それぞれの読み口やイメージ、色みたいなものを揃えたり、もしくはガラッと変えたり。はじめに決めたテーマ・軸からそれない程度にわいわいと元気よくまとめます。

私の場合はストーリーがあった方が好きだなと思うので流れを意識してまとめていますが実際に読み手に回った時は初めから読んだりパラパラと気になるところから読んだりとまちまちなので見開き単位の良さ、章や連作のタイトルもいい感じに付ける力も必要かもな〜と思うのですがむずかしいなぁとなっています。

構成用ノートの写真 挿絵の画像を貼ってある
構成用ノートの写真 1ページに1首短歌短冊を貼ってある

やっぱり章立てや連作にまとめるが一番時間がかかりますね。私は短冊にした短歌を連作毎にまとめたあとは巻頭から順に扉や挿絵余白ページも入れつつ分厚いノートに一つずつテープで貼っては並び替えを繰り返しています。基本的に本を作る中で個別に推敲はしないのですが、すべての短冊をノートに貼って1冊になった段階で前後の歌、連作の繋がりを見て語順の入れ替え・単語の変更などを少しします。通しで何度か確認して本文の並びは完成です。がんばりました!!

作業風景のイラスト。床に這いつくばり短冊を見ている。文字で「パソコン作業以外は床に並べて作業しています。広さがほしいので。いつか腰を悪くします…」の表記

物理のノートで入れ替えをしているので「うーん、章・連作ごと入れ替えるか!」となった時が大変です。床が短冊だらけ。

これからの短歌どうまとめる??

私の場合はこんな感じで恐らく短歌の本を作っています。なぜ恐らくかと言うといつも何となくの感覚でやっているからです。なので冒頭のポストのように毎回次の本を作る時に泣くことになります。

そしてどうやら今後作りたい本が先ほどまで書いてきた編み方で挑めないようなのです。

  • ジャンル横断の二次創作短歌まとめ本(現代日本舞台からロボット、ファンタジーものまで)

  • 一次創作短歌のまとめ本(生活詠みからRPG世界観まで)

  • 一次二次まぜこぜ本(諦観の滲み出る人物像が好き!なのでそういう歌ばかり集めた本)

原作に沿ってや困った時の神頼みである季節に合わせてが出来ないのです……困りました……。

ジャンル横断二次創作短歌は以前ネットプリントで似たようなものを作ってはいて、その時は1ページ/見開きにジャンル毎、誌面の下に注釈を設けてジャンルやキャラクター説明を載せる形にしていましたが何かもっといい形あるかなぁ?と悶々としています。どこからページを開いても読めるものか検索機能に振り切るか、1冊通して何かテーマを持たせるのか……。

今回、今までの本をどういう風にまとめていたかを文字として残せたので今後新たにすごく好きなジャンルに出会いそして転がるように落ちて短歌を詠み始めてもこの覚書さえあれば大丈夫!!となったので泣きながら検索することも減ると思います。なので安心(?)して出したい本の「これからどうする??」を考えたいところです。

発行した同人誌を並べた写真

おまけ写真。2022/5〜2025/5に発行した二次創作短歌同人誌です。発行月が5月/10月/6月/5月と、どことなく春寄り。好きなキャラの誕生日発行にしています。10月発行の本ももう一人の好きキャラが5月生まれです。こんな所でも春が好き。


サークルnemu no moriで発行した本を元にまとめました。使用している写真はXの山と森と街、山野、森山、街野アカウントでポストしたものです(山と森と街へアカウント統合しております)

@ymmataru
一次・二次創作をしています。漫画が好きです。 短歌や俳句、川柳などが好きです。