とりあえずゲレンデを滑れる道具は集まったので、練習が始まる。自分はウィンタースポーツが未経験で、ゲレンデに行ったことさえない。昨年立山で友人からBCクロカンを借りて遊んだことがあるだけだ。遊んだといっても快適に滑れる訳もなく、止まり方さえ知らないので数メートルなんとか滑ってはコケて止まるということを繰り返していた。このBCクロカンを貸してくれて一緒に遊んだ彼がテレマークスキーに誘ってくれたその人である。
彼とは学生時代からの友人でバックパッカー的な海外二人旅をした仲でもある。彼は若い頃から山に入り浸っており、根っからのアウトドア人間で、私の初登山に地元の山である丹沢の塔ノ岳に連れて行き、登山後の「どうだった?」「悪くはなかった」といった会話の次には雪の残る5月の赤岳に誘うような奴だ。赤岳は無事登頂し、それから自分もちょくちょく山に一人で登るようになった。その間も彼は山に入り浸り、クライミングや沢遊びもやりつつ、昨年スキーで日本オートルートを完走したらしい。
この友人に教えを請いに行く。今は仕事の関係で遠方に住んでいるので、車で向かい何週間か滞在して土日に教えをつけてもらう。
1日目 / 2024年2月3日 (スキージャム勝山)
初めてのゲレンデ。リフトに乗るのもビビった。プルークボーゲンを練習した。めちゃくちゃ転んで、起き上がるのに体力を消耗してヘトヘトになった。こちらは止まってるのに2回ほどボーダーが突っ込んできて衝突した。危険すぎる。とにかくうまくできなくて、大変な趣味に手を出してしまったと思った。ゲレンデにいる人は子供も含め全員自分より上手くて心が折れそうになった。この日の最後にはプルークボーゲンでゲレンデの上から下まで降りれるようになって、ようやくまともな練習を始められるようになった。
練習内容:
プルークボーゲン
足を揃えて緩やかに止まる
2日目 / 2024年2月4日 (今庄365スキー場)
道の駅で車中泊して、初日とは別の、人が少ないゲレンデで練習。前日散々コケたかいあって、コケる回数が激減。人が少ないのでぶつかってしまう恐怖心がなくて、余裕を持って練習できた。いつのまにか障害物や人を避けれるようになっていた。ターンに繋がる制動の動きと、テレマークポジションを安定して取れるように練習した。この日はプルークはほとんど使わなくても制御できるようになってきた。
練習内容:
緩やかに制動
急制動
ステップシールの貼り方、歩き方
横滑りで真下に滑る
テレマーク姿勢で直進
テレマーク姿勢で直進したまま足を入れ替える
テレマーク姿勢で止まる
ターン
2日やってみて、斜面の垂直抗力に対して姿勢を取るのが難しい。斜面であっても、水平に対する垂直を取ってしまう感覚を捨て、斜面に正対していかなければならない。しかし、体が起き上がって重心に置いていかれてしまい、板だけが前に行って制御できなくなってしまう現象が起こった。重心を操る感覚と体幹と柔軟性を会得する必要がある。また、テレマークポジションをキープするのが難しい。しっかり体重を板に乗せていないとビンディングのバネに負けてしまう。山側の足で雪面を捉える感覚を会得するのに時間がかかりそうだと思った。