今日も新幹線に乗った。
馴染み深くなったものだ。
10年前の私には、手の届かない、気づけば遠くにある存在だった。
移動すること、遠くにいること、その場所を感じること。
全てには金がかかる。
私には金がなかった。
新幹線はいつも、私の「貧しさ」と「みじめな人生」を自覚させていた。
今日、私は新幹線に乗っている。
車窓から垣間見れる生活たち。
あの生活は今の新幹線を見て、「貧しさ」と「みじめさ」を感じているのだろうか。
それとも「今日もうるさいなあ」と思うのだろうか。
これからも私は新幹線に乗り続けるだろう。
これからも新幹線は人を乗せ続けるだろう。
どこか遠くに届けられることは、何かの意味があるから。
あの時の新幹線へのまなざしを、引き受ける責任が私にはある。
あの時の新幹線がそうだったから。